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STORY

現実の旅インド【その8】

“まさか”とは、予期しない緊急の事態にあること。とも記されている。
結局、腹痛は和らいだもののグッタリとした朝を迎えた。

インド旅の前回はこちらからチェック【現実の旅インド その7】

2月のジャイプールは最高に気持ち良くて、朝は少しだけひんやりするけど日差しが温かい、そんな気持ちの良い筈の朝も今日はシンドイ。。


何故あの時、あのミントソーダの氷に意識が回らなかったのか? ホテルの庭で温かいチャイを飲みながら、ぼんやりと記憶を辿ってみるけど、全く分からない。きっと夕暮れ時の洒落たカフェの雰囲気に浮かれてたんだろうなあ。

庭ではリスが走り回っている。ホテルの朝食に必ず並ぶサンバルは芋や豆、野菜の優しさとほんのりピリっとするスパイスのスープ。日本でいう味噌汁みたいなものかな。毎朝楽しみにしていたこのスープも再び襲ってくる腹痛を思うと、さすがに食べることは出来なかった。

ホテルの朝食に並ぶサンバル

フライトは夕方なので、ホテルを出るまでにたっぷりと時間はある。ランチタイムになっても気分は重い、相方は元気いっぱいで近くのレストランではタンドリーチキンをビールで流し込んでいる。

羨ましい。インドに居ながらこんな仕打ち、自分を恨むよね。笑笑

デリーでの乗り換え数時間も、相方はホテルの食堂でTo goしたチーズナンとビールを楽しんでいる。
自分は何も食べることなく日本に帰国、現実の旅が終わった。ぐったり。
荷解きをしようとバッグを開けるとほのかに正露丸の香り。

次回は絶対に油断するものかと心に誓った。

<草野さんの「現実の旅インド」、これまでの記事>
現実の旅インド【その1】
現実の旅インド【その2】
現実の旅インド【その3】
現実の旅インド【その4】
現実の旅インド【その5】
・現実の旅インド【その6】
現実の旅インド【その7】
<インドへの旅、そのきっかけは?>
妄想から現実の旅インドへ1
妄想から現実の旅インドへ2
妄想から現実の旅インドへ3
妄想から現実の旅インドへ4
Kenichi Kusano

KENNETH FIELD Designer草野 健一

1969年熊本生まれ。ビームス プラスのディレクターを務めたのち、2012年より自身のブランド「KENNETH FIELD™(ケネス フィールド)」を始動。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、アメリカントラディショナルを多角的にアップデートしたアイテムを提案する。2014年まで「バラクータ ブルーレーベル」のデザインを担当。2014年には「ルウオモヴォーグ」と「 GQイタリア」が主催する新人デザイナー「THE LATEST FASHION BUZZ」に選出される。