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STORY

妄想から現実の旅インドへ①

今思うとインドへの旅は昔から決まっていた。

いつ行くかだけが決まっていなかっただけで、あるようで無かった旅の計画、優先順位からいうと、いつかは?というくらい漠然としていた(笑)

ネパール、カトマンズから見るヒマラヤの旅やキューバで葉巻を味わう旅の方が興味深々だったし、モロッコへの再訪の旅のほうが気持ち的には強かったのに、気まぐれとは怖い。

ただ何故行き先インドが急浮上したのか?導線があったので少し振り返ってみたい。

きっかけ其の一。
3年くらい前かな、京都の Books & Things の小島さんにお勧めしていただいたこの本。
小島さんは、数年前に京都 祇園の古民家にアート、写真、建築を中心にした古書店をオープン。
取り扱いするすべての本に関して、丁寧な解説をしていただける。



浜野安宏ファッションジオグラフィティ『地球風俗曼陀羅』

今から37年前に神戸ポートピアで行われたイベント、ファッションライブシアターのために作られたメディアの一つだったらしい。

テーマは『ルーツ・フォー・ザ・フューチャー』極めてドキュメントな未来の根を現代の事実から探し出そうと始まったプロジェクト。

このメディア作りに、未来人に会うための調査隊?!として浜野さん達は、未来人のルーツである中南米、インドネシアの島々、ネパールとチベット文化圏、そしてインドを旅しながら撮影記録しまとめあげた。

読み終えるまでファッションライブシアターも未来人も??だったけど、とにかく現地で撮影された写真から伝わってくる振動が凄いし、写真の一枚一枚に添えられたコメントがたまらなかった。きっと浜野さん自身がこの「文化的地平に未来をとらえる旅」を楽しまれていたのだろう。

そして30年以上も前にその後の世界情勢を言い当てているし、暗示しているのだからまた凄い。


この浜野さんという方、知らなかったけど'74年に青山FROM-1st、'75年頃に東急ハンズ、'98年にPatagonia フラッグシップストアなどプロデュースされていた。

製作スタッフには、八木保さんの名も記載されている。

インドと言えど国土はひろく、なかでも浜野さんがピックアップされたのはカシミール、ラジャスターン、そしてベナレスの3つの地区。

それぞれの地区で人を中心に被写体として撮影された写真の数々、なかでも印象的だったのがコレ。

ラジャスターンでの一枚はついつい洋服屋目線になってしまうが、ディテールと色合わせの妙にグッときてしまった。


続く
Kenichi Kusano

KENNETH FIELD Designer草野 健一

1969年熊本生まれ。ビームス プラスのディレクターを務めたのち、2012年より自身のブランド「KENNETH FIELD™(ケネス フィールド)」を始動。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、アメリカントラディショナルを多角的にアップデートしたアイテムを提案する。2014年まで「バラクータ ブルーレーベル」のデザインを担当。2014年には「ルウオモヴォーグ」と「 GQイタリア」が主催する新人デザイナー「THE LATEST FASHION BUZZ」に選出される。