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STORY

住みたい小屋。

コロナ前のパリ、フォンダシオン・ルイ・ヴィトンの最上階、30分程その場所から離れられなかった。

そこに展示されていたのは、シャルロット・ペリアンが考案したアルミ素材で作られたプレハブ構造の小屋。






これを日本で復元するにあたり、彼女の本を読んでみた。

日本への輸出工芸指導顧問としての渡航が決まったのは戦争が始まった1940年頃。
ナチスドイツがパリを支配し国内移動もままならない中、フランスをギリギリのタイミングで出発する場面はスリリングで面白かった。

日本での約2年間の滞在は、彼女の才能とは別に、人脈に恵まれていた事もその後のキャリアには欠かせない要素だと感じた。勿論、師匠がコルビジェだった事からも坂倉準三、前川國男、柳宗理、河井寛次郎ら建築、工芸界との交流が繋がっていく。

2/3を読み終えたところで、展開に面白味がなくなり、ペラペラとページを捲りながら、その記述を探してみたものの肝心なプレハブ小屋の記述は無かった。
残念だったけど、彼女の家具や建築に関する考え方には、日本の畳、襖など規格化されたモノへの考察がその後にも生かされているようで、そんな記述を発見出来たのでとりあえず良しとしたい。

アルミのプレハブ小屋は、コンパクトな空間にさまざまな工夫が成されていた。きっと師匠が考案したモデュロールが生かされている内装設計だろう。

実際にこのプレハブ小屋は量産される事はなかったらしいが、実際に、こんなプレハブに住めるのか?別宅や夏場だけのプレハブ小屋だったとしてもどうなんだろう。
そういえばトイレもシャワーも無かったので、近くに作るしかなさそう。あとは、実際に寝泊まりしてみない事には分からない。
なんてこの数年は、写真を見返しては妄想にふけている。

#シャルロット•ペリアン
#peace
Kenichi Kusano

KENNETH FIELD Designer草野 健一

1969年熊本生まれ。ビームス プラスのディレクターを務めたのち、2012年より自身のブランド「KENNETH FIELD™(ケネス フィールド)」を始動。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、アメリカントラディショナルを多角的にアップデートしたアイテムを提案する。2014年まで「バラクータ ブルーレーベル」のデザインを担当。2014年には「ルウオモヴォーグ」と「 GQイタリア」が主催する新人デザイナー「THE LATEST FASHION BUZZ」に選出される。