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STORY

妄想から現実の旅インドへ③

「妄想から現実の旅インドへ②」は、こちらから。

今思うとインドへの旅は昔から決まっていた。

きっかけ其の三、
今年の1月、サンフランシスコの友人から頂いた1963年版のカルティエ・ブレッソンの写真集。

奥様のマルティーヌ・フランクの写真展は、2年前に京都の何必館で見た事があった。
モノクローム写真の中の子供達の表情からは何故か夏休みを連想させるような解放感を感じた事を覚えている。

マルティーヌは写真を撮られる事を極端に嫌っていた旦那ブレッソンの素顔を撮影しており、まあ夫婦だから何が悪い!って話なんだけど、、、

その事が写真家ブレッソンへのほんの僅かな興味の始まりだった。

なので写真家として有名なブレッソンの写真展や写真集には、これまで縁が無かったし興味が沸かなかったのは事実。

この写真集を頂いて知ったのは写真家集団 Magnum の創設メンバーのひとりだった事。

彼が活躍した時代がロバート・キャパ、ジョージ・ロジャー、アンセルアダムス、ロバート・フランク、アーヴィング・ペンらと同じく40年代から50年代だった事。ここで親近感が沸いてくるのは、1940年代から50年代という時代の区切り方が前職での業務と密接過ぎたから。笑。


戴いた写真集のページをパラパラとめくって出てきたコレを見た瞬間に、グッと惹きつけられた。

この躍動感!、ターバン巻いてるって事はインドでしょ、男祭りっぽいけど、何のスポーツなんだろう? そしてよーく見ると『グルカショーツ!』

クレジットには
Gymnastics in refugee camp, Kurukschetra, Punjab, India, 1947
1947年、インド、バンジャーブ州の難民キャンプでの運動


一般的には、ブレッソン=駅近くの水たまりをはねるオジサンだけど、自分には完全にブレッソン=インド=グルカという
勝手な方程式がインプットされた。まるでパブロフの犬のように、、、、

こんな小さな発見がとても嬉しかったし、
そんな小さな発見から何かが動き出したのかもしれない。

勝手気ままなインドへの旅は、こんな小さな発見の点と点が繋がっていく感じで実現に向かった。

続く
Kenichi Kusano

KENNETH FIELD Designer草野 健一

1969年熊本生まれ。ビームス プラスのディレクターを務めたのち、2012年より自身のブランド「KENNETH FIELD™(ケネス フィールド)」を始動。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、アメリカントラディショナルを多角的にアップデートしたアイテムを提案する。2014年まで「バラクータ ブルーレーベル」のデザインを担当。2014年には「ルウオモヴォーグ」と「 GQイタリア」が主催する新人デザイナー「THE LATEST FASHION BUZZ」に選出される。