
Amvai 読者の皆様、こんにちは。おかげさまで Amvai デニムパンツ初回納品分で、サイズ残少となってまいりました。ご注文いただきました皆様、ありがとうございます!
さて、ここでAmvai デニムパンツを作る上でとっても大変だった幾つかの事を書かせていただきます。Amvai デニムパンツがワークパンツのような、スラックスのような・・・不思議な立ち位置のフランス製であることに由来したお話です。では・・・

パンツにはいわゆる5ポケットデニムを連想するような「ワークパンツ」と、スーツの組下パンツ的な「スラックス」と呼ばれる2種類が存在しますよね?
実は、工場の生産工程上(縫う順番ってことです。)これはワーク工場の仕事!これはスラックス工場でなくっちゃ!的な明確な線引があるんです。その区分はどこにあるかお判りでしょうか?
生地の肉厚の都合も確かにございますが、今回は縫う順番ですのでそれは考えないことにします。答え! ワークパンツ工場は前後身頃を作ったあと、内股で右裾から反対側の裾先まで一気に縫って仕上げます。今回のAmvai デニムパンツは、ワークパンツ工場のシステムの上に、スラックスディテールを依頼しましたので、下の写真のように左内股から右内股まで一気に縫っております。

ではスラックスは?ハイ、後ろ中心の寸法出しの為のイレギュラーな縫い代なんてこともあり、右足、左足を別々に作ってしりぐりで合わせてパンツな見た目になります。下の100年前のパンツは、グラミチの様なひし形のマチが入っているスラックスなんですよね。

現場では、お互い、よくそんなに分厚い物が縫えますねーと感心したり、逆によくそんなに薄いウール生地をピリつかせず縫い上げられますねーなんて話の場に遭遇いたします。この2つの工場は完全に住み分けされていて、ほぼおなじ屋根の下に存在することはめったにございません。これは、1950年代以降アメリカから生産システムを学んだ日本ならではの住み分けなんですよね。
さて、今回のAmvai デニムパンツ、フォルムを100年前のフレンチワークパンツから忠実にバランスを取って企画されております。この100年前のフランスワークが実に厄介なんです。たたき台にしたこのパンツ、完全に工場で縫っておりません。いわゆる街のテーラーでスーツを仕立ててもらった勢いで、仕事着も作ってもらった感満載なんです。手まつり箇所多数。量産でもないので結構じっくり作り込まれてるんですよねー。そうなんです。日本では非常に工場設定の難しいワークとスラックの折衷なんですよねー。ただそれによる迫力ハンパなし!最高になが~く愛していただける1本になると思うんです。ヨーロッパの100年前の常識を、2017年の日本に持ち込むと大変だったお話でした。


























