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1800年代製デニムの色落ちの謎を追え! - ジーンズ追跡 Episode 1


そのメールは明け方届いていた。

「manabu, 元気か? 実は相談があってな。日本からの依頼で1800年代の Gold Rush Legasy denim を再現して欲しいって言うんだよ。お前も知ってるだろ、1879年製の展示、おととしだったよな、渋谷でさ。」

メールの差出人はジェフ。ニューヨークの民族衣装博物館の学芸員、いわゆるキュレイターって奴さ。専門はデニム・ワークウェア全般で奴のもとには古着ハンター達が獲物を持って日参している。閉山した炭坑に忍び込み、脱ぎ捨てられた当時の服を発掘する輩さ。ジェフは鋭く吟味しコレクションしていく。

「この仕事をしていてどうしても解けない謎があるんだよ。俺はキュレイションが専門だ。決して manabu のような製造が得意な訳じゃない。manabu, 実はお前も感じているんだろ? 1879年製のデニムの色落ちの事。まぁ、1920年以降スタンダードになったあの巨大染色装置を使えばあの1879の色落ちには納得がいくんだ。しかし、遡ること40年、どんなインディゴ染色方法をとっていたのか何故か資料が出てこないんだよ。技術が混在していたというか、効率をいかに上げるかで現場レベルで各社実験していたというか・・・。俺の頭の中では巨大装置なしであの色落ちを実現する方法がどうしてもイメージできないんだ。お前はどう思う? 聞きたいんだよ。お前の考えが。日本人は50年代以降、もの凄い勢いでジーンズ開発を行って来たよな。インディゴ藍染色だって京都の歴史たるやハンパねーことは俺も知ってる。1879のような色落ちが実際起こりうるのかどうか日本の技術者達に聞いてもらえないだろうか? ただ、最近分かったことだが、1800年代後半ともなると、アメリカのデニムテキスタイルメーカー1社の年間生産数はジーンズ7万本分、生地にするとセルビッジデニム21万メーターにも達してるんだ。すでに手作業染色のレベルでこなせる量じゃないんだよ。じゃあどんな方法でインディゴ染をすると、あの1879の様な顔になるんだろうか??manabu, お前の人脈と経験で何とかこの謎を解いてくれ・・・。」

流石はジェフ。誠実なやつだな。現代の素材を使えば1879年製ジーンズのレプリカなんていとも簡単に作ることは出来る。たださ、ジェフ、君の本意は1920年代以降の技術を使わずして実現したいんだろ。分かってるさ・・・。そう、分かっている事はただ1つ、目の前に1879製という結果があるという事。しかし、どの道をたどればこの1879の顔に到達出来るのかが皆目わからないんだよ、ここ東京にいたんじゃな。だからさジェフ、俺もすぐに岡山、広島、徳島の染色、機やのプロ達に1800年代後半のインディゴ染について意見を聞いてみたんだよ。その答えはな、ジェフ、「アメリカの大量生産志向と日本のハンドメイドでは目指す物が違う。だから正直分からない」ということだったよ。

ジェフ、お前の為にもう1度、産地に出向いてありったけの情報を集めてやるよ。インディゴ手染め職人が最後に電話口で言っていた「日本のハンドメイドは目指す物が違う」このフレーズがどうも妙に引っかかっているんだ。とにかく、あの1879デニムの、あの色落ちの不思議を解く鍵はどこに落ちてるのかなんて分からないからな。 キライじゃないぜ、この仕事。ジェフ、少しばかり時間をくれ、じゃあな・・・。

※Episode 2は、こちらで次週公開予定です。
※この物語は事実にもとづいたフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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Amvai.com Amvai Denim P001EM

¥58,000(税別)

100本限定。Slowgun 小林学氏とファッションエディター 山下英介氏により、徳島県の無形文化財・阿波正藍染のデニムを、ユーロワークパンツスタイルに仕立てた純日本製のデニムパンツ。