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STORY

香り一期一会


数年前の5月のニューヨーク、「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」で出会ったある香り。

「クラフト プライズ」
ロエベ ファンデーションが伝統と現代、芸術的なユニークなコンセプトを組み合わせた作品をターゲットにした「クラフト プライズ」を発表します。
ロエベファンデーションは、芸術的先見性と革新性を示し、制作者自身の言葉と卓越した制作力を反映する卓越した作品を表彰することによって、芸術的なクラフトを支援し、伝統を現代的に再解釈して継続的に現代文化へ貢献することを目的としています。
(LOEWE FOUNDATIONのホームページより抜粋)

結果から言うと、ニューヨークで購入を躊躇した”香り”。

11月の東京でのクラフト プライズ受賞作品展を楽しみにしていたが、香りとの再会は出来なかった。。。
半年前に出会った香りがどんなものかは既に忘れていたし、そもそもどこのブランドかも分からない陶器に入った香水。

クラフト プライズの展示品ではなく、ニューヨークの展示会場の受付カウンターの隅に置いてあった。
値段を聞くと200〜300ドル?と言われた記憶がウッスラ。

絶対に再会出来ると思いながらも、一瞬の躊躇がもたらした残念すぎた出来事。

香水は輸入する際に検査や申請が必要なので、主催側が手間、時間を惜しんだということだったのかな?悔しくてそんな事を考えていた。

モノには執着しない、したくないのに、この時の香りにはしばらく執着した。何より、オッと思わせる好みの香りだったし、ロエベのイベントだったし、誰が作ったかも分からない?ストーリーを纏った香りだったのに、、、滅多に出会わない香りの購入を即決しなかったことが本当に悔やまれた。

そして翌年、すっかり?な香りのことなど忘れたころ、ふらっと立ち寄った店でネーミングで引き止められた香水。

「RADIO BOMBAY」

香りを試してみると、なんとも言えない心地良さ。いやネーミングに心臓をつかまれた感じ?!マイブームのインド繋がりだしね、笑笑。
物欲のエンジンにスイッチが入ってアイドリング状態というのかな?マグマの噴火前のふつふつした状態って言うのか、、、

ここまで盛り上がったから買ったと思うでしょ?前回の教訓もあるし。

それがその時は買わなかったんだよね、何故か?って、ここは日本だし、いつでも買えるという安心感からアイドリング状態からギアを入れずエンジン切ってみた。

数ヶ月後、無事マイワードローブに加わった「RADIO BOMBAY」。

毎朝、この香りに癒されている。

「ビャクダンに刻まれたトランジスタラジオは、ラーガのパンドラの灼熱へと導く。そんな、ボンベイのラジオの銅管は、香りを温める」

この日本語訳された香りの説明書きは全く理解不能。ただ原料のビャクダン(サンダルウッド)の産出国はインド。やっぱりこれもインドとのご縁。今は、未だ見ぬボンベイの街への興味がふつふつと湧いている。
Kenichi Kusano

KENNETH FIELD Designer草野 健一

1969年熊本生まれ。ビームス プラスのディレクターを務めたのち、2012年より自身のブランド「KENNETH FIELD™(ケネス フィールド)」を始動。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、アメリカントラディショナルを多角的にアップデートしたアイテムを提案する。2014年まで「バラクータ ブルーレーベル」のデザインを担当。2014年には「ルウオモヴォーグ」と「 GQイタリア」が主催する新人デザイナー「THE LATEST FASHION BUZZ」に選出される。