浅草のアミューズミュージアム、ご存知の方も多いと思いますがここで展示されているボロのコレクションは目を見張るものが多く、現在ではアートコレクションとして、海外でも高額の値段で取引されるほどになっている。
実際に、ニューヨークの古着屋でも刺し子の古布には良い値段がついている。そんなアートコレクションとしての素晴らしさはさておき、自分としては当時のボロに纏わるストーリーに興味が沸いた。地方での生活はその土地の気候とその土地で出来る農作物、生産物によって大きくその特色に違いが表れる。とくにこのボロに関していうと東北地方がメインになり、その土地では綿花が育たなかったという事から東京以西から廻ってくる古布、古着を使った裂き織りや刺し子文化が発達したといわれている。
東北地方の寒冷の地で綿素材が無く、麻素材が主流だった事からも布を工夫して使わないかぎり寒さをしのげなかったという事だろう。室町時代以降から日本での木綿栽培が始まったらしいので、約600年も前の昔話ではあるが、ボロミュージアム内にある当時の生活を綴ったパネルを読んでいると、モノ余りの時代に生活している自分の役割を考えさせられた。
数シーズンに渡りリメイクジャケットや残反(裁断、生産後に残った生地)を使ったストールをリリースし、出来る限り材料を無駄にしないストーリーの中でのモノ作りを継続している。そんな折りに伊勢丹メンズの柴田バイヤーより ONE OF A KIND というテーマでジャケットを作りたいとの提案をうけた。材料の中に無償で提供していただいた古布が有り、その古布にお買い場スタッフが刺し子するという“ SASHIKO PROJECT ”。
木綿の布を継ぎ接ぎして大事に使っていたように、、、、これが今回のストーリー。

出来上がった商品は、2017年9月13日(水)から始まる「 ISETAN MENS FES 」、場所は 伊勢丹新宿店本館6階にてご覧いただけます。


















