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STORY

短パンとツイード~夏から秋への変わり目のコーディネート

故セルジオ・ロロ・ピアーナさんやフランコ・ミヌッチさんなど、イタリアの洒落者やお金持ちには「リネンシャツ+カシミアニット」というコーディネートを好む方が多い。麻のサラサラ感とカシミアのトロトロ感を同時に味わっちゃうという、生地フェチならではの究極の贅沢・・・。そこまでお金のかかる趣味ではないけれど、精神的にはクーラーと暖房を同時にかけるのに等しい、かなりの貴族趣味。季節違いのものを組み合わせるのって、彼らのように少々スノッブな気分に浸れて意外と愉しいのだ。


僕の場合、真夏は長袖シャツ+グルカショーツという着こなしが多いのだが、ちょっと涼しくなってきたらそれにツイードジャケットをはおってしまう。衣替えの習慣がないロンドンでときどきこういうちぐはぐな着こなしのオジサンを見かけたもので、真似したのがはじまりだ。自分でいうのも恥ずかしいが、あえて客観的にいうと「肌寒かったもんでテキトーに家にあるジャケット羽織ってきた」的な、まわりくどいお洒落の主張である。シャツの裾なんかも無造作に出しちゃうから!

まわりからはたまに「暑くない?」と心配されるが、ヘビーウェイトのツイードでもないかぎり、実はそれほどでもない。写真はラルフローレンのもので、ウールにシルクとリネンをブレンドした、ライトウェイトの生地を使っている。足元にはウエストンのアリゲーターローファーを素足で合わせれば、セルジオ・ロロ・ピアーナさんには及ばぬまでも、そこそこ業の深そうなトラッドスタイルの完成である。
Eisuke Yamashita

Fashion Editor山下 英介

1976年埼玉県生まれ。大学卒業後いくつかの出版社勤務を経て、2008年からフリーのファッションエディターとして活動しています。ファッションディレクターとして創刊時から参画している「MEN’S Precious(小学館) / http://mensprecious.jp」を中心に、カタログの編集、原稿の執筆が主な業務。住まいは築50年のマンション、出没地域は神保町や浅草、谷根千。古いものが大好きで、ファッションにおいてもビスポークテーラリング、トラッド、モード、アメリカンカジュアル……。背景にクラシックな文化を感じさせるものなら、なんにでも飛びついてしまうのが悪いくせ。趣味の街歩きをさらに充実させるべく、近年は『ライカM』を入手、旅先での写真撮影に夢中。まだ世界に残された、知られざる名品やファッション文化を伝えるのが夢。