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STORY

早く着たいのに着ることのできないモヤモヤ期の過ごし方。~夏から秋への変わり目のコーディネート

確かにこの時期って気分と気候が最も噛み合ない、なんともしがたいモヤモヤ期ですよね。でも、ファッションって実際それを着て1日を過ごすのが全てじゃなくて、まだ全然着れない衝動買いしてしまったこの1着を、酒の肴にコーディネイト実験をするのとかって実はとっても楽しくないですか?ボクの場合、自分都合で新品でも古着でも気に入る分量感になるまで解体&再構築してしまうので、すぐ朝が来てしまいます。これと同じ感覚なのが車を買い替える時かなー?買って納車されたときはあくまで結果で、何にするか悩んでるときが一番楽しいんですよね。着たいけどまだ着れない、練りに練ったフルコーディネイトを和室の長押のところにぶらさげて眺めてるのってホント好きなんですよねー。


じゃあ、実際のところ端境期に何を着るか??ボクの場合はショーツは最後まで残る夏の残骸で、まずトップスの半TがロンTになり、その上に気分と流行りに合わせてジレだったりワークベストだったりの袖無しの何かをレイヤーするかなー?そうこうしてる間にスエット固定の気候になり、もうぼちぼち半ズボンは止めようと相成る訳です。この時期で最高気温20°C、まさに初秋の最高に気持ち良い空気感が到来です。例年のイメージだと体育の日の頃かな?

じゃあ、今年の気分をどう表現するのか?と問われるなら、2000年周辺期のグランジの残香と、頭の悪そーな田舎のアメリカのハイスクールの学生っぽさ(1999年の映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に触発されたラフ・シモンズのビッグサイズ・アメカジ・コレクション辺りがボク的には最高に最速)と、リーバイ RED が混ざった様なストリート・モード MIX チックな感じを二束三文の古着をカスタムして世に問うような DIY する手法かな?これが今すぐ着てみたい超初秋のコーディネイトです。もちろんそんなのどこにも売ってないので、当時の残像と今の気分を練り込んで作るのです。いつものことです。自分にしか分からない自分語での独り言です。それが一番楽しい秋への準備なんです。

Manabu Kobayashi

Slowgun & Co President小林 学

1966年湘南・鵠沼生まれ。県立鎌倉高校卒業後、文化服装学院アパレルデザイン科入学。3年間ファッションの基礎を学ぶ。88年、卒業と同時にフランスへ遊学。パリとニースで古着と骨董、最新モードの試着に明け暮れる。今思えばこの91年までの3年間の体験がその後の人生を決定づけた。気の向くままに自分を知る人もほぼいない環境の中で趣味の世界に没頭できた事は大きかった。帰国後、南仏カルカッソンヌに本社のあるデニム、カジュアルウェアメーカーの企画として5年間活動。ヨーロッパでは日本製デニムの評価が高く、このジャンルであれば世界と互角に戦える事を痛感した。そこでデザイナーの職を辞して岡山の最新鋭の設備を持つデニム工場に就職。そこで3年間リアルな物作りを学ぶ。ここで古着全般の造詣に工場目線がプラスされた。岡山時代の後半は営業となって幾多のブランドのデニム企画生産に携わった。中でも97年ジルサンダーからの依頼でデニムを作り高い評価を得た。そして98年、満を持して自己のブランド「Slowgun & Co(スロウガン) / http://slowgun.jp 」をスタート。代官山の6畳4畳半のアパートから始まった。懐かしくて新しいを基本コンセプトに映画、音楽等のサブカルチャーとファッションをミックスした着心地の良いカジュアルウェアを提案し続け、現在は恵比寿に事務所を兼ね備えた直営店White*Slowgunがある。趣味は旅と食と買い物。