『小林さんはノンアルね〜!』これは飲み屋のマスターの声ではない。同じ行きつけでも内科医での注射前消毒の事なのだ。小林家の体は全く酒を受け付けない。分解酵素ゼロなのだ。体にしてみればアルコールはあくまで異物で、全力で体外に排出しようとしてしまう。もしくは皮膚につけば赤く湿疹のようになる。筋金入りということだ。ただ、我が飲めない人生に悔いはない。嘔吐の苦しみを思えば炭酸水で十分だ。しかし、1つだけ体験、体感したかった事がある。それはいわゆる食材との『ペアリング』を試したかったのだ。たとえば元来チーズ好きなので、常に世界の旬のチーズは冷蔵庫にキープされているのだが、それらを口にする度、この刺激物とジャストマッチのワインを流し込んだら二乗倍に感動するんだろーなーとかね。とりあえずは枝付き干し葡萄や乾燥いちじくで誤魔化してはいるが、きっと雷に頭を打たれたような感じになるんだろうなと空想にふけるのでした。
しかし、ここにきて何だか事態が変わってきたんです。ノンアルコール飲料が特殊な進化を遂げているようなんですよね。酒味の用途が変わってきたとでも申しましょうか?キーワードは『ソバーキュアリス』。これは飲めるのに飲まない生き方を模索する人々のことで、ボクからしてみたら何とも勿体無い肝臓の使い方である。そんな方々に向けた罪の浅い飲み物と言うことで提案されたり・・・。日本でも運転者のためのノンアルビールとかが結構シェアを伸ばしていると聞きます。それとノンアルは宗教的な理由で飲むことを禁じられている中東イスラム諸国向けにも極太の需要があるみたいですし・・・。
ハイ、と言うわけで、ボクは昨日4本のノンアルワインを買ってみました。スパークリング系2種と赤、白1本づつ。スパークリングボトルのものは、1度発酵までさせてワインとして成立させた後、そこからアルコール成分を0%まで抜き去ったものでノンアル界では本格派と言われております。お値段も立派。そして他の赤、白のボトルはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといったワイン用葡萄からジュースのアプローチで企画された飲み物で甘さも控えめで、これもノンアルワインのカテゴリーだそうだ。個人的にはスパークリング系のノンアルがイメージは良いのだが、味はアランミリアの方に軍配が上がりそうな気がする。今夜胡椒ソースのステーキを作ってペアリングを試そうと思う。もし、ボクが普通に飲めていたなら、今頃痛風、糖尿、そしてガンマ値MAX,・・・この世に生きていない気がする。


















