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STORY

MOJITO "ONION RING®"

『久しぶりの投稿で告知かよ!セニョール』の前回から
またまた久しぶりの投稿で、やっぱり告知です。

今回はMOJITOの新しいレーベル「オニオンレーベル」の第一弾をちょっとだけ。
「オニオン=玉ねぎ」は、我がヘミングウェイの大好物のひとつです。
好きすぎてポケットに玉ねぎを入れて持ち歩き、小腹が空いたらそれをかじっていたエピソードや
ヘミングウェイが考案したサンドイッチで、食パンにピーナッツバターを塗りスライスした玉ねぎを
山盛りにのせた「The Mount Everest Special」というものまであるくらい、玉ねぎが好物だったとのこと。
文豪ヘミングウェイは、自身の琴線に触れたヒト、モノ、コトをなんらかのかたちで、
作品に登場させていて「The Mount Everest Special」も「海流のなかの島々」に書き残していることから、
恐らく間違いなく好んだのであろうと、ぼくは信じている。
信じているから真似をして作って食べてみたものの・・・・・。
けど、海の男がエベレストってどうなのよ?って思ったりもするが、
そんなヘミングウェイだから魅かれ続けるんですねー。
とくにぼくの場合においては。

MOJITOのオニオンレーベルではサンドイッチをつくったわけではなく、
なんと「ONION RING®/オニオンリング®」という名の指輪をつくったんです。

このレーベルでは玉ねぎが好物だったヘミングウェイへ敬意を込めて、
MOJITOの深層部を濃く、より濃く、これでもかってくらい濃く、
時には胸焼けをするくらいの濃度で表現していく予定です。
ご期待ください。

さて、このONION RING®はジワジワとご支持をいただいている7DAYS RINGをベースに素材と分量をアップデートしたものです。
『7DAYS RING』は、シルバー900×2本、925×3本、950×2本の合計7本の構成に対し、
『ONION RING®(OR_P5Y3)』はプラチナ×5本、18金×3本を使用した合計8本です。
往々にして素敵で納得できるアイテムをつくりあげるには、
つくっていただく工場さんや職人さんとのハードなコミュニケーションはつきものだけど、
このアイテムが完成するまでは、あるいみ過去最高に楽しませていただきました。
金属の伸びや縮みを緻密に計算し、8本のリングを組み合わせた内径を指定サイズに合わせる。
それから指にはめた時の隙間がなくなるまで8本の厚みと巾を微調整して型を決める。
気が遠くなるような作業を繰り返すこと数ヶ月。
ようやく完成度7割のファーストサンプルが完成した。

はやい段階で企画案を聞いていただいていたARCHのオーナー山内氏に会いに、昨年9月末に一路札幌へ。
ダラダラと完成度7割の言い訳をし、残り3割の完成予想図をキレッキレで伝える。
キレッキレのパートは少しボリュームを大きめにしたりして。
山内氏とは何度もこの類のやり取りをしてきたが、今回ばかりは慣れないアイテムだったことに加え
完成度7割のサンプルをつかった確認作業だったので、正直なところキレッキレのパートも
もう少しボリュームを控えめにしておけばよかったと思っていた。
ARCH南青山店のOPEN日が12月17日に決まり、納品できたのが内装工事まっただ中の14日。
それとほぼ同時にぼくが絶対的な信頼を寄せているグロースヴァルト社謹製のレザーケースも届いた。

内装工事まっただ中のARCH南青山店で山内氏とオニオンリングとレザーケースとぼく。
懐かしの『米・連ドラ「24」』のアレがきこえてくる。
『山下さんちょっと違いますね~。』って言われたら、南無阿弥陀仏の瞬間である。と思うと、
またアレがきこえてくる。
山内氏はリングを触りながら静かに眺めている。
静かに眺めているリングは最終サンプルではなく、商品なのだ。
その間1分経っただろうか?
きこえたのは南無阿弥陀仏ではなく「うん、山下さん、いいですね~。この店でやりましょう。」だった。

正直なところ、9月の札幌ではもう少しボリュームを大きめにしても
よかったのかな~って、思った瞬間でもあった。

SALUTE LIFE!

*オニオンリングの現物はARCH南青山店でご覧いただけます。
*レザーケースはブラックとブラウンの2色からお選びいただけます。
Hirofumi Yamashita

MOJITO Designer山下 裕文

1968年熊本県生まれ。服飾専門学校を卒業後、スタイリストアシスタントを経ていまもなお伝説として語り継がれる「PROPELLER」でプレスバイヤーとして活躍をする。その後、米国の西海岸を代表するショップの日本初の展開時には、ジェネラルマネージャーとして勤務。2005年に独立し英国の老舗ブランドやストリートからアウトドアブランドなどの契約業務を手掛けてきた。2010年に自身のブランド「MOJITO(モヒート)/ http://mojito.tokyo」をスタート。ブランド名は、ヘミングウェイが愛したとされている(モヒート)に由来。毎シーズンのコレクションでは、ヘミングウェイの作品を読み説き自身の服に対する哲学を通し、ヘミングウェイの人物像や時代背景、生活シーンなどをそれぞれのアイテムのディテールで表現。MOJITOとは、この稀代の文豪へのオマージュであり、男たちのための「道具としての服」の名でもある。