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自分らしくあるためのネクタイネクタイは究極のハードボイルド

僕は、冠婚葬祭やドレスコードがなければ、まずネクタイをしない。ネクタイを締めることが嫌な訳でもなく嫌いでもない。むしろネクタイを自分らしくキッチリ絞めている人をみると素敵だと思うし「自分もあんな恰好が出来ればいいなー。」と思うほうである。そしてMOJITOのアイコンである男もネクタイをしない人だと勝手に思っていた。上半身は裸でショートパンツ、またはTシャツ姿だと思い込んでいたのが、ちょっと違っていた。その男のネクタイ姿の写真を見たことがある人は、多くないはず。
この3枚の写真は、その男のネクタイの図であり、僕好みの3枚。はじめに1919年に生まれ故郷であるシカゴ郊外のオークパークで撮られた写真。1899年生まれなので20歳の頃。続いては1941年に中国で撮られた写真。取りを務めるのが1948年イタリアで撮影された49歳の御大のお姿でございます。
この3枚の写真のどこが僕好みなのか。それは、ネクタイの結び目と襟の間に全く隙間が無いこと。その男がもつマッチョでワイルドなイメージとは、全く違う几帳面な性格の現れだと思っている。この他にも数多く、ネクタイ姿を収めた写真が残っているが、どれを見てもキッチリと隙間なく絞めている。
MOJITO をスタートさせる頃と今も全く変わりなくその男について調べ続けているが、調べれば調べる程、掘り下げれば掘り下げる程、その男の服装哲学に魅了され続けてしまう。ネクタイの起源が「兵士が寒さから身を守るために首に巻いたもの」だとすると、左目が極端な弱視により陸、海、空、海兵隊に入隊することが出来なかったその男にとって、自ら生み出した簡潔文体による短編小説やサファリでハンティングをしたり、メキシコ湾で大物を狙い、浴びるほど飲んだ酒よりも『ネクタイを締める』その行為そのものが、その男が生涯追い求めた、徹底的に磨き抜かれた究極のハードボイルドだったのかも知れない。ちょっと違うかも知れないが、これが僕の思い描くアーネスト・ミラー・ヘミングウェイなのだ。

SALUTE LIFE!