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STORY

妄想下着。

ここ数年、冬のアンダーウェアはメリノウール、パタゴニアの股引またはユニクロのヒートテックを着用している。用途に応じて使用するけど、それぞれに持ち味があって満足度が高い。この件は前も書いたかな?

メリノウールは丸胴のボディでヘンリーネック、股引はウエストのサイズ調整部分がシンプルなボタン仕様。用をたす為の出入り口も用意されている。

色も生成で、クタクタになったワークシャツの首元からこんな下着が見えてたら良い感じだな、と思わせる絵に描いたようなクラシック。イタリア製でフィレンツェの下着専門店で買うという行為も楽しかった。

パタゴニアはアメリカ軍納品用に製造されたM.R.A.Sという仕様らしく、ミリタリーに採用された機能を肌に一番近いところで試す事が可能。肉厚で保温力も高かったので釣行のお共として何度も活躍してくれた。

ユニクロのヒートテック股引は、秋冬の朝走用。極寒の朝は極暖を穿いている。


そんな中、たまたま過去の資料から見つけだしたのか?どなたからか、ご提案いただいた素材?なのか、全く思い出せないけど、とにかく、最近すっかり忘れていた接結素材。

表と裏の素材が全く違っていて表は杢調のウールニットで裏はコットン、まるでアメリカのduofoldが大昔に作っていたかもしれないような雰囲気。かもしれない?が重要。(笑)

肌に触れる部分はコットンで表素材のウールニットとの間で温められた空気が保温を持続させるというローテクの極みを妄想させる。表のウールニットは毛玉が出来た頃が一番カッコ良くて肘の部分が破れたらパッチで補強したりね、そんな勝手な盛り上がりを形にしたのが、ラグランスリーブのダブルレイヤーニットとダブルレイヤーレギンス。



肉厚素材でゴワゴワしたジャケットやシャツ、トラウザーのインナー(股引)に野暮ったさ全開で着用して欲しいというのが作り始めの意図。出来あがって着てみたら、重ね着した際に肩の部分の納まりの良いラグランスリーブは、中にポロシャツやシャツを着てもなかなか良い。





レギンスは、開脚なんてしないけど、股部分のガゼット仕様を採用したり、裾部分にスリットを入れているので、厚手のソックスでもモタつかないし足元のアクセントとしても使える。自転車乗りやキャンプサイトではショーツとのコーディネートもおススメしたい。

先月のニューヨーク、キャッツキル山地でも1桁台の気温の中、ウェーダーの下に着用してみたけど、保温性は申し分なかった。

レギンスに関しては、あくまでも股引感覚でピタピタのサイズが◎

まあ、こんな説明をしておきながら、次回はメリノウールのハニカム組織で丸胴サーマルなんて作ってみたいと新たな妄想がスタート。困ったもんだ。。
Kenichi Kusano

KENNETH FIELD Designer草野 健一

1969年熊本生まれ。ビームス プラスのディレクターを務めたのち、2012年より自身のブランド「KENNETH FIELD™(ケネス フィールド)」を始動。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、アメリカントラディショナルを多角的にアップデートしたアイテムを提案する。2014年まで「バラクータ ブルーレーベル」のデザインを担当。2014年には「ルウオモヴォーグ」と「 GQイタリア」が主催する新人デザイナー「THE LATEST FASHION BUZZ」に選出される。