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STORY

眼鏡の風上、オタクの風下

半年ほど前から眼鏡をアクセサリーの様に使っている。これは以前にもMATSUDAの伊達眼鏡の話として書いたとおり。正しいメンズファッション道に於いては「本来の機能性を生かさず、ただのお洒落として身につける」なんて言語道断。眼鏡の機能性は「視力矯正」or「紫外線から目を守る」の二択なのだろうけど、僕に至っては「度が入ってない=伊達眼鏡」を「グラスホルダーを使って首からぶら下げる」という、眼鏡道の風上にもおけぬ邪道ぶり。機能性無視、ただの演出、本当にアクセサリーなのである。

じゃあ、なんでそこまでしてアクセサリーとしての眼鏡が必要なの?と言われたら、やっぱりナードスタイルへの漠然とした憧れがあるわけで。イメージ的には『フリークス学園(Freaks and Geeks)』のHarris Trinskyとか、その辺り。『グーニーズ』のJonathan Ke Quanもいい感じ。眼鏡はかけてないけどね、と思って画像検索してみたら、やっぱり大人になって眼鏡かけてる、Jonathan君。

牛乳瓶の底みたいにピカピカも反射するクリアフレームの眼鏡は70'sナードなスタイルに。

写真はA.D.S.R.のもの。妙に発色のよいジャカードニットや白いハイネックのレトロムードを伊達眼鏡が加速させている。

ちょいスクールテイストの着こなしにも眼鏡が必要。耳にかけない日もグラスホルダーを使って首からぶら下げ、文系度20%増。眼鏡以外に同じ効果があるアクセサリー(?)は「胸ポケットにボールペンを複数差す」など(冒頭の写真参照)。腰に電卓、はさすがにマネできない。90年代に宅八郎が衝撃のテレビデビューを果たして以来、すっかりお茶の間でも馴染みのある(?)存在になった「NERDS」=「オタク」という存在。Marc JacobsもKim JonesもファッションがなければただのPunkオタクだったわけで。しかし、このオタクが持つ「一点突破力」というか、苦し紛れに振り回した猫パンチがクリティカルヒットになるような、そんな感じに憧れてコンタクト着用の上から伊達眼鏡をかける僕は眼鏡道の風上にもオタクの風下にも、どっちにもおけない「所詮ただのファッション野郎」という悲しみを胸に抱いて、今日も生きている。

Satoshi Tsuruta

International Gallery BEAMS Staff鶴田 啓

熊本県出身。1978年生まれ。1996年、大学進学を機に上京するも、法学部政治学科という専攻にまったく興味を持てず、飲食店でアルバイトをしながら洋服を買い漁る日々を過ごす。20歳の時に某セレクトショップでアルバイトを始め、洋服屋になることを決意。2000年、大学卒業後にビームス入社。新宿・ビームスジャパンのデザイナーズブランドを中心に扱うメンズフロア(当時)に配属となる。2004年、原宿・インターナショナルギャラリー ビームスへ異動し現在に至る。アシスタントショップマネージャーとして店舗運営にまつわる全てのことに従事しながら、商品企画、バイイングの一部補佐、VMD、イベント企画、オフィシャルサイトのブログ執筆まで手がける。ワードローブのモットーは「ビスポークのスーツからボロボロのジーンズまで」。趣味は音楽・映画・美術鑑賞、旅行、落語、酒場放浪、料理、服。二児の父。