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STORY

スポーティじゃないパーカ

東武東上線のちょうど真ん中という地理的条件ゆえ、どちらも中途半端ではあったものの、ヤンキー文化とチーマー文化が50:50で共存していた僕の高校時代。北西からやってくるヤンキー勢力にも、東南からやってくるチーマー勢力にも支持される、万能かつ最もスタイリッシュな着こなしが、「学ランの下にパーカ」であった。

前者の場合はポッシュボーイなどのDC系、後者の場合はアディダスなどのスポーツ系もしくはヴィンテージが人気だったように思う。僕はといえば高校1年生まではDC(一時期マルコムX)系、2年以降はスポーツ〜ヴィンテージ系という日和見野郎。高校入学時(1992年)に隆盛を極め、1994年には一気に冷めた、短くも鮮烈なブームであった。
それ以来ずっとパーカ=スポーツorヴィンテージ系という固定概念があったが、20年以上スポーティライフとは無縁だった41歳の僕がそっち系のスウェットパーカを着ると、かなり無理があるということが判明した。ならば今の僕には、どんなパーカが似合っているのだろう?

2017年の春夏もの。レーヨンとリネンのコントラストが面白い。

昨年買った AMVAR 仲間の小林学さんがデザインした、スロウガンのパーカなんていいかもしれない。テロテロのレーヨン素材、生地の切り替え、ボタン留めのフロント、7部袖・・・パーカだけれどまったくスポーティではなく、なんとなく、当時のDC系を彷彿させるデザインだ。学ランはもう持ってないけれど、ジャケットやコートの下に着込んだら、ちょっとだけ25年前を思い出させるのだ。
Eisuke Yamashita

Fashion Editor山下 英介

1976年埼玉県生まれ。大学卒業後いくつかの出版社勤務を経て、2008年からフリーのファッションエディターとして活動しています。ファッションディレクターとして創刊時から参画している「MEN’S Precious(小学館) / http://mensprecious.jp」を中心に、カタログの編集、原稿の執筆が主な業務。住まいは築50年のマンション、出没地域は神保町や浅草、谷根千。古いものが大好きで、ファッションにおいてもビスポークテーラリング、トラッド、モード、アメリカンカジュアル……。背景にクラシックな文化を感じさせるものなら、なんにでも飛びついてしまうのが悪いくせ。趣味の街歩きをさらに充実させるべく、近年は『ライカM』を入手、旅先での写真撮影に夢中。まだ世界に残された、知られざる名品やファッション文化を伝えるのが夢。