確かに、僕も最近クラシックなスーツをめっきり着なくなってしまった。いわゆる革靴は50足ほど持っているけれど、ブーツやモンクストラップなどカジュアル系ばかりで、オックスフォードタイプのドレスシューズはごく少数。この手のものはトレンドに左右されないから、数足持っていれば事足りてしまうしね。
そんな僕が久しぶりに買ってしまったドレスシューズがこちら。
凛とした風格と柔らかさを併せ持つ、カールフロイデンベルグのボックスカーフ外苑前にある行きつけのメンズショップ「ラクアアンドシー」のオリジナルである。ベヴェルドウエストやピッチドヒールといった、ビスポークっぽいディテールと雰囲気を持ったセミブローグなのだけれど、決して色気ムンムン系ではなく、履き口とノーズの長さの比率は1:1くらいと、控えめで好ましい。まるでヴィンテージショップでたまに見る「ビスポーク流れ」のような雰囲気だ。しかも、カール・フロイデンベルグのボックスカーフを使った9分仕立て(底付けの出し縫いのみマシン)で6万9,000円というのは、相当にリーズナブルと言えるのでは?
アウトサイドカーブ、インサイドストレートの木型。これ見よがしじゃないところがいい。こんな正しき革靴に合わせたいのは、「30’sの70年代流解釈」といったムードのスーツ。残念ながらワインは苦手なのだが、オテル・ドゥ・ミクニやキャンティあたりで、コッテリとしたディナーを楽しみたいものだ。クラシックな洋服とともに、その舞台となる「場所の文化」も継承しなくてはならない。


















