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恋するアクセサリーやり難い仕事の記念品

『 Fred Harvey Style 』のブレスをご紹介した投稿でも書いたように僕はアクセサリーを身に付けない。どうもシックリこない。そんな僕が一度だけレザーのブレスをつくりMOJITOで展開したことがあり現在も数店舗の店頭に並んでいます。特にレザーのブレスが欲しい訳でもなかったのだが、ある職人さんと出会いその見事な技に一目惚れし、その場でサンプルを依頼。その職人さん得意技はベルトをつくること。しかもミシンを一切使用せず独自ブレンドの糊だけで仕上げます。その昔この製法のベルトの需要が多く大繁盛したんだと、毎回会う度に同じ話を聞かされました。当時から使用している自前の糊を入れるブリキの缶と木型もフォトジェニックな趣だったなぁ。写真のブレスはその職人さんの倉庫に眠っていたデットストックのゾウ革を使ったモノです。簡単に作り方を説明すると、まず蒲鉾のように盛り上がり面を作るために、巾と厚さの違う数枚の革を特殊な糊で貼り合わせる。暫く放置する。曲げたり捻ったりして何かの感触を確かめる。最後に薄く漉いたゾウ革を貼る。単純で簡単な仕事に見えるが実際に自分でやってみると、同じサイズに裁断した革のはずなのに、薄く漉いたゾウ革が何度挑戦してみても上手く貼れませんでした。ストックのアザラシとゾウの革を全部使用しブレスにして頂いたのだが『まったく!短くって、やり難い!ベルトにはしねーのか?』とブツブツ言いながら仕事をしていただいた。先週約2年ぶりにその職人の作業場を訪ねてみたところ、左手にほぼ新品のこのブレスをつけていて「こいつはやり難い仕事の記念品」だと少し赤面しながら言っていた。赤ら顔は17時になると、待ってましたとばかりに飲み始める芋焼酎のお湯割りによるもので「今日も一日お疲れ様儀式」の証。そんな赤ら顔の職人さんが、僕が来るのでわざわざブレスをして待っていたと思うと・・・。
いや、間違ってもそんな気が利いたことは出来ないはず(笑)

SALUTE LIFE!