「それ、どこのブランド？？？」着ている服をそうやって訊ねられる事は、いつだってとても嬉しいことです。“ファッションなんてどうせ自己満足” なんて開き直ることもしょっちゅうな日常において、他人に関心をもって見てもらえて、しかもそれが褒められるような事があれば、なんだか報われたよう気さえしてきます。
最近別々のところで立て続けにチェックされたアイテムが、何と Gramicci のパンツ。「DENIM NN-PANTS」という、近ごろ定番になりつつある「NEW NARROW PANTS」のデニム版。従来の Gramicci のパンツをややスマートにしたもので、スッキリ目のテーパードが今っぽい。ユーズド加工が思いのほかいい感じで、“ヒゲ” などの雰囲気もなかなかです。数々のヴィンテージ&レプリカを見てきた我々 “90's世代” でも許せる見栄えではないでしょうか。しかも今回「それどこの？」と訊いてきたのは軽石なんかで文字どおりジーンズを切磋琢磨してきたアメカジ世代のお兄さん達で、なんだか逆に返答に困ってしまいました。
これは所謂 “イージーパンツ” であり、リベットを用いたような無骨さも無く、本格派のデニムとは全く趣きの異なるシロモノかと思います。しかしながら、ストレッチの効いた素材とこのブランド特有の “180度開脚できる” 股下のガゼットクロッチは他にない動きやすさで、本来の “ワーク” としての機能は寧ろ充分かと思います。
洗濯するとかしないとか本気で気張っていたあの頃の自分。その肩をポンと叩いて優しく耳打ちしてあげたい、そんな一本です。