その数年前は、サンフランシスコの友人等が小さな工房で作っていた 5Pocket を穿いていた。14oz のデニムをやや太めのシルエットで仕上げた、手作り感満載のモノだった。リベットにはレザーのパッキンをかませて彼らが自ら叩いていた。
5Pocket 選びの重要なポイントは、穿いた時のシルエット。バックポケットの脇から膝裏に繋がる『たるみ』の感じ。直線裁ちのサイドシームと立体的なヨークが、特徴的な洋のパターンと扁平な和尻が生み出す『たるみ』。決して構築的なパターンから生まれる『ドレープ』ではない。スパッツのようなピタピタの 5Pocket でもあり得ない。この 5Pocket の『たるみ』を気に入っている方、自分だけではなさそう。
写真はこの7、8年ほど穿いているウェアハウス社 5Pocket。勿論この大胆な『たるみ』が気に入っている。裾が左右で違うのは、気にしないでいただきたい。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。