そんな私が昨年から着ているのが Brooks Brothers の何のヘンテツもないステンカラーコート。初めからお洒落な計算が出来上がっているモノより、コンサバなものを自分のスタイルにしていくのが今の楽しみかなあ。そもそもコートって前述のポケットの様な “変形” があったり、“動き” の要素も大きいから、ショップの鏡の前だけではその価値を測りきれないと思うのだ。
これからようやくコートの季節。自分の読書時間の多くは通勤電車であり、吊り革片手に文庫本を読む。衣服のポケットから直ぐに本を取り出せるという事がどれだけストレスフリーな事か。「読書の秋」とは「コートの秋」でもあるのだ。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。