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ビッグシルエットコートを、我がものにする。『DEER HUNTER』なオフィサートレンチコートを90’Sアルマーニなボリュームで演出する去り際の男の背中。

この秋冬、コートの世界でもゆったりサイジングの波が確実に押し寄せております。つい数年前に流行ったチェスターなどはコートというよりテーラードJK がそのまま長くなった様なロングジャケットであることが掟でした。なのでコートと名がついても下にはシャツ1枚かTシャツしか着る事が出来ない,とってもエディ・スリマンなトレンドだった訳です。サイズスペックが大きく変わるのに10年近くかかっているんですね。レディスでは考えられないゆっくり感です。さてさて、来るべきゆったりサイジングコートの新たなる掟をざっと書かせていただきます。まずは、素材が柔らかくオチ感があること。肩幅を実寸より10センチ以上大きく取り、バスト寸もヘタしたら親子で二人ばおい位の大きさなので、優しく落ちる素材が不可欠なのです。そんなビッグウエストをベルトでゆったり絞ってみると得も言えぬドレープが生まれます。大きな背中ですがこの縦方向のドレープの影がビッグサイズコートならではの醍醐味です。重要なのは大きなサイズの服を着る事でマッチョに見せたい訳ではないって事です。90年代のアルマーニは逆三マッチョが前提でしたが、今我々が欲しいのは服のゆとり感を巧みに利用して細マッチョを演出する着こなしなんです。今回、スロウガンでもこの効果的な縦方向のトレープ感に並々ならぬこだわりを持って写真のオフィサートレンチをリリースいたしました。元のイメージは映画『 DEER HUNTER 』で、デニーロがヴェトナムから故郷へ一時帰国したとき着用しているオフィサーコート(AG-44型)です。これをベースに90年代初頭のアルマーニな柔らかさを注入してみました。男臭さとモード感、今期のコートはこれに尽きると思います。意外にもコートは後ろ姿が重要なんです。去り行く男は背中でモノを語る、そんなシーンの似合う1着であってほしいものです。