で、今回はそんな若者たちが着まくっているビッグシルエットコートを、私個人として今季どう着るか、という問題。今の雑誌を読むのもよいのですが、そもそもこの手は1980〜90年代のリバイバルなわけですし、オッさんとしての年季を見せつけるためにも、当時の雑誌を見るのが一番てっとり早い。やっぱり『 BRUTUS 』だよな・・・と思って探ってみたものの、当時のファッション誌はモノクロ粒子荒れ写真が異常に多くてディテールがさっぱりわからないという(笑)。しかしこのムードはやっぱり素敵ですよね。タイトなシルエットのコートでは伝わらない「空気感」ってヤツを感じちゃうよね。こんな人たちが街に増えるのであれば、ビッグシルエットブームは大賛成!
そんな私が秋イチから着たいと思っているコートは、2016年春夏コレクションで購入した、ジョルジオ アルマーニのもの。5月くらいに買ったので、まだほとんど着ていないのです。デザインはとってもシンプルなのですが、キュプラ100%の生地を使った1枚仕立てで、動くたびにテロテロ揺れる様がなんともたまりません。Tシャツの上に羽織って、袖なんか捲っちゃったりしてね。色味もちょっと甘めのピンクベージュで、昨今のメンズの服にはない雰囲気なんだよなあ・・・。おっと、こういうテロテロ系のコートなら、上にジャケットなんぞを羽織っても面白そうですね。私の尊敬する超大御所スタイリスト北村勝彦さんが、昔とある雑誌で「着丈の長い服が必ずしもアウターウエアとは限らない」と仰っていました。みんながビッグシルエットに行くなら、こちらはそういったノリで差別化するしかない!
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。