L.L.Bean のガムシューズを雨の日の足元に選んでから久しい。いや、晴れの日だって履くけどね。この靴の何がいいって、普通のアウトドアブーツに無理矢理ゴムのボトムを縫い付けたかのような無骨さ。そう、まさしく機能美の極致。この辺に疎い友達に「そのつま先のカップみたいなのは取り外せるの?」って聞かれたこともある(笑)しかしこれが意外にも色々と合わせやすくって、ジーンズやチノパンは勿論、短パンでソックスの柄を見せるのも楽しい。たまに女性がスカートに合わせているのを見かけるけど、やっぱり可愛いらしいよね。TOOL 的なクールさと、フォークロア的な愛らしさを併せ持ったような佇まいである。
もちろん履き心地も申し分ない。一般的なゴム長靴よりも着脱しやすいし、クッション性も高い。よっぽど深い水たまりにドボンしなければ、大抵の雨靴よりはアドバンテージがあるのではないだろうか。レザー部分はそれなりの手入れが必要だけど、エイジングの楽しみで言えばそれも長所かもしれない。欠点を挙げるとすれば、側溝の蓋などの鉄・ステンレスの上でめっぽう滑りやすいという事か。
私が今履いているのは、ローカットのガムシューズ。プレッピー的なラバーモカシンも良いのだが、さすがに大雨の日には不安かなと思い、やや高さがあって履き口が黒いレザーで縁取られているこのモデルにした。ロングブーツのタイプよりもスタイリッシュになったこのシューズは、アーバンアウトドアのアイテムとして “実にいいアンバイ” である。しかし確実にそこにある野趣は、雨に “恵み” を感じる事ができないこの都市生活において、心に潤いをもたらしてくれるモノかもしれない。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
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80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。