進化する素材開発こそがアメリカの真骨頂、抜群の信頼性を誇るゴアテックス。かたや歴史と伝統を盾に、変わらない事を継承していったイギリスのオイルドコットンとゴム引き。ともに認知度の高いアウターウェアの素材。
ここ数年は、英国のスタイルにアメリカ的な機能性マテリアルを使用したり、アメリカのクラシックなスタイルに英国の伝統的なマテリアルを使用するといったクロスオーバーした商品群を目にする事も少なくない。
ゴアテックスの防水透湿性は、日本のような高温多湿の国では重宝し、一方ゴム引きやオイルドコットンを永年着用した後の生地の風合いには、愛着を感じずにはいられない。
先日イベントで訪れた札幌、お取引先であるArchの代表山内さんは雨の中、傘を差さずに歩いていた。ツイード素材のハンチングキャップにダック素材のハンティングジャケットといった出で立ち。ゴアテックスでも無く、ゴム引き、オイルドコットンでも無い肩と背中は雨で濡れていた。
防水、撥水、格好良さに気を使っているつもりだったが、傘をさした時点で台無しである事にやっと気付く事ができた。
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