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STORY

Non-Certifiedなライナーベスト


ISETANメンズの敏腕バイヤー、今は昇格されたのか、7階8階の総合ディレクションの●田さんからの無茶振り企画。

お題は『某英国ブランドのオイルドジャケットの取り外し可能なライナーを作って頂きたい』

こういう話は、企画止まりで進行しない場合があるので、しばらく静観してたんだけど、●田さんがやる気を見せてきたので、重くも無い腰をあげてとりかかった訳ですよ。

先ずはライナーとしての機能だけだと面白味に欠けるので、ライナーだけどベストとしても着用できる事。
英国ブランドという事だったので、KFで定番的に使用している英国FOX社のフランネル素材と英国のアウターといえば、保温性の高いキルティング素材にコーデュロイのパイピングだと温かいし目にも優しいかなとか、、

フロントのデザインにはオリジナルライナーのポケットデザインを生かしつつ、携帯電話が収まるチケットポケットを配置。乗馬がルーツとされる英国のハッキングジャケットの腰ポケットとチェンジポケットは身頃に対して斜めに配置されているけど、KFモデルではアメリカンな真っ直ぐにポケットを取り付けたり。

ライナーとして作るべきスペックだと、ベストとして着用した時の前身頃の分量が足りないので、ハンティングベストのアジャスターストラップを取り入れることでフィッティングの調整が可能になったり。

出来上がったライナーベストは英国素材、アメリカンなディテールと、ライナーとして装着するとブラックカラーのポリエステルキルティングで全く主張しない良い出来。

この企画にはオチがあって、●田さんから受け取ったオリジナルの型紙には、着脱可能なライナーの命、ジッパーの取り付け位置が記入されてなかったんだよね〜笑笑

さあ、ここからどうしたか?というと全サイズのジャケットを元に、縫製工場の担当の方がサイズ毎にジッパーの取り付け位置を合わせながら縫製するという、とんでもなく効率の悪い作業をお願いする羽目に、、

まあ、なんとか納品することが出来た今回のライナーベスト、良かったら伊勢丹メンズ館7階の店頭でご覧になってください。
因みにこの企画、英国某ブランドのオフィシャルでは無いけど、その某ブランドのジッパーが付いています。笑

何故、グレンプラッズを選んだか?
勿論、英国ブランドへのリスペクト以外に無いですよね〜

イベント情報
<バブアー>プロモーション
2019年9月18日〜10月1日
伊勢丹新宿店メンズ館7F=メンズオーセンティック/Barbour
Kenichi Kusano

KENNETH FIELD Designer草野 健一

1969年熊本生まれ。ビームス プラスのディレクターを務めたのち、2012年より自身のブランド「KENNETH FIELD™(ケネス フィールド)」を始動。「For NEW TRADITIONALIST」をコンセプトに、アメリカントラディショナルを多角的にアップデートしたアイテムを提案する。2014年まで「バラクータ ブルーレーベル」のデザインを担当。2014年には「ルウオモヴォーグ」と「 GQイタリア」が主催する新人デザイナー「THE LATEST FASHION BUZZ」に選出される。