そんな思いを抱いた7月ころに注文した「テーラーケイド」のスーツが、ついに納品された。
以前ご紹介したレイト70’s風コーデュロイスーツのコンセプトをさらに進化させた、ツイード製のスリーピースだ。
巷の「わかりやすい」IVYスタイルとは一線を画す、こだわりが満載!生地はヘヴィーなハリスツイード。襟はより大きく。ナチュラルショルダーであるものの、幅広めで着るとややコンケープして見える肩。約9ミリ位置に配したコバステッチ。でもって最大の見所ともいえるパンツは、ひざ幅からすそ幅まで一直線に落ちる22.5cm。はいてみると生地の重量感と相まって微妙にすそが広がって見える、俗にいう「ジェントリーフレア」(死語)である。往年のファーラーのホップサックパンツに近いかもしれない。着用したイメージだが、『トッツィー』『クレイマー・クレイマー』あたりのダスティン・ホフマンや、『君は薔薇より美しい』時代の布施明を思い出していただきたい!
そでボタンは3つ。
ひざからすそまでビシッと一直線のシルエット。彼らのようにロングヘアー&ビッグシェイプのティアドロップなんかが最もハマる1着ではあるが、坊主頭の僕が着る場合はベレー帽にタート・オプティカルのサングラス、ビットローファーあたりがちょうどよさそうだ。いっそのことタイドアップしたレギュラーカラーシャツ&ヒール高めのコンビシューズでギンギンにキメた〝70’S解釈の30’Sスタイル〟という線も、『スティング』を彷彿とさせて捨てがたい。そんな話でテーラーの山本さんと盛り上がっていたのだが、同席していた香港のセレクトショップオーナー、マーク・チョウ氏はドン引きしていた。・・・まあ、このくらい「わかりにくい」ほうが、長年着られるってものなのだ。


















