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STORY

FOUND PHOTOならぬFOUND ◯◯◯。~ 2018年 注目のアイテム

昔っから好きな写真作家を2名を挙げるとしたらリチャード・プリンスとホンマタカシ。あえて写真家とせず、写真作家としたのは、この両名がここ最近、自ら撮影しない写真を使っての写真展や写真集を出すという共通項があるからなのだ。

まずリチャード・プリンス。彼は2015年、他人のインスタ写真を借用し、自らのコメントを添え紙出力して『 New Portrait 』と銘打った展覧会を行い物議を醸した。彼は元々高濃度のアメリカンモチーフ(マルボロの看板や金髪女性のエロ投稿写真等)の写真を、荒い粒子の写真で撮るという作風であり、彼の「マルボロの看板を写した写真」は2005年、人類のオークション初、1枚の写真作品で1億円を越える値を付けるに至っている。そんな彼が現代 SNS 上のお宝匿名写真を放っておく訳も無く、世の中はリチャードの炎上写真展に完全にしてやられた。ナントその作品群??に1枚最高で約1千万円の値が付き即完売という結果をもたらしたのだ。アートに於ける著作権、肖像権という概念にアンチを投げかけ、世論はリチャードに味方し、勝利した瞬間だった。

一方、ホンマタカシは『ニュー・ドキュメンタリー』と称したコンセプチュアルな展示を行った。それは、あるイタリアの未亡人女性を撮影して、その写真の周りに彼女の旦那や家族、若き日の1コマなど当然ホンマが撮った物ではない、古い写真をコラージュするものだった。写真家ホンマのプロショットと家族間の記念撮影的自然体ショットとを対比させ、未亡人のシワの1本に意味を感じさせるのが狙いなのであろう。このホンマタカシの手法はファウンドフォトと呼ばれ、新たな写真の表現手段として同時多発的に始まっている。このファウンドフォトの本来の意味としては、蚤の市などで山の様に売られている素人が撮った写真(既成写真、レディメイド)を見続け、その偶然の出会いから意味を見出し、新たな価値を吹き込む。写真家は撮影者ではなくキュレーター、ファウンダーとなり写真集を編纂する・・・そんなイメージなのだ。


ボクはこの1〜2年、このファウンドフォト手法をファッションに転用出来ないかと試行錯誤していた。例えば、先程のホンマタカシのプロショットを新たに作る服とする。そしてそれを日本最高峰の工場で、プロの技を持って美しく仕上げる。かたや、雰囲気満点の荒々しい古着を自ら作成しないファウンドフォトに例え、ヴィンテージ感が倍増する様なチューンを施す。そして、このビューティー&ビーストのミクスチャーで欲しいイメージに近づけコーディネイトする・・・。この手法であれば2人の写真作家の新表現にファッションサイドから少しでもアプローチ出来るのではないかと思うのだ。2018年、ボクはこんなブランディングを考えております。そして新たなチャレンジとして実行して行く所存なのです。

ボクは元旦のラジオ番組でビームスさんの新年の訓示を聞き感銘を受けました。それは
『 Think Different & Just Do It! 』
クスッと笑みが込み上げて来た直後にじわっと来るんですよね。2センテンスが繋がった時の意味の深さが。ホント、前に進み続ける為には、柔軟な発想の実現をまさに『今』やるしかないですよね・・・。
本年もよろしくお願いいたします!!
Manabu Kobayashi

Slowgun & Co President小林 学

1966年湘南・鵠沼生まれ。県立鎌倉高校卒業後、文化服装学院アパレルデザイン科入学。3年間ファッションの基礎を学ぶ。88年、卒業と同時にフランスへ遊学。パリとニースで古着と骨董、最新モードの試着に明け暮れる。今思えばこの91年までの3年間の体験がその後の人生を決定づけた。気の向くままに自分を知る人もほぼいない環境の中で趣味の世界に没頭できた事は大きかった。帰国後、南仏カルカッソンヌに本社のあるデニム、カジュアルウェアメーカーの企画として5年間活動。ヨーロッパでは日本製デニムの評価が高く、このジャンルであれば世界と互角に戦える事を痛感した。そこでデザイナーの職を辞して岡山の最新鋭の設備を持つデニム工場に就職。そこで3年間リアルな物作りを学ぶ。ここで古着全般の造詣に工場目線がプラスされた。岡山時代の後半は営業となって幾多のブランドのデニム企画生産に携わった。中でも97年ジルサンダーからの依頼でデニムを作り高い評価を得た。そして98年、満を持して自己のブランド「Slowgun & Co(スロウガン) / http://slowgun.jp 」をスタート。代官山の6畳4畳半のアパートから始まった。懐かしくて新しいを基本コンセプトに映画、音楽等のサブカルチャーとファッションをミックスした着心地の良いカジュアルウェアを提案し続け、現在は恵比寿に事務所を兼ね備えた直営店White*Slowgunがある。趣味は旅と食と買い物。

REVIEW