「山内」という全く聞いたことのない名古屋のブランドのセットアップ、ヨージのパンツ、オーラリーのシャツ、濱野太郎さんが手織りしたストール、エンツォ・ボナフェの靴・・・。なんて感じで、まったく脈絡がないようでいて、そこにはしっかり腑に落ちる意味がある。ここのオーナーさんの「売れるものじゃなくて、売りたいものを仕入れる」というポリシーには、僕も大いに感銘を受けたものだ。
そんな「カセドラル」で僕が絶対におすすめしたいのが、レザーウエアのビスポークである。そもそもレザーって高価だしやり直しがきかないものだから、せいぜい1モデルをサイズオーダーできる程度のものなのだが、ここの場合ショップが共鳴してくれば、なんでもつくれる。しかも使える革のレベルがメゾンブランド級。さらにここだけの話、値段もけっこう安いのだ・・・!
とくれば僕がオーダーしない理由はない。ショップで一目惚れした通称「ロイヤルスエード」というカーフスエードを裏地を貼らずに仕立て、ゆったりしたシルエットの春用ロングコートをつくってもらうことにした。
果たして1回の仮縫いを経てあがってきた完成品がこちら。一目瞭然、レザーのクオリティが抜群なのだが、とはいえ決して嫌味じゃなくて、Tシャツの上にガバッと羽織れるような軽快なムードに仕上がっている。今までスエード製のアウターはいくつも買ってきたが、これほど満足いく一着に出合ったのは初めてだ。こりゃすごい!
次回は同じ革でジャケットをつくってもらおうか? いやいや、セント・ジェームスみたいなプルオーバーなんてのも、面白いかもしれない。いやいっそのこと、クロコダイルでベストをつくるのはどうだろう・・・? なんて具合に、早くも次回作の構想を練っている。


















