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STORY

古書店主直伝、Amvai的 「神田古本まつり」入門。


秋の澄み切った空気をピリッと感じるのは、ようやく涼しくなってきた気候のせいだけではない。そう、今年もいよいよこの季節がやってきたのである。

「神田古本まつり」、それは古書店主のみならず、飲食店、出版社等々、神保町にかかわる人という人がその兜の緒を締めなおす一大イベントである。今年は 10/28~11/6 の十日間、靖国通りを中心とする神保町駅周辺が修羅場と化す。しかも近年は “B級グルメ” 勢力の台頭もあり、同時期に「神田カレーグランプリ」なるイベントまでブッこまれるという更に厄介な状況。最早 “本好き” のためだけの街にあらず。愛書家も美食家もヴィンテージハンターも、とにかく「まつり」なんだから踊らにゃ損々! なのだ。

とりあえず基本的な情報を。「神田古本まつり」とは、神田古書店連盟が主催する毎年恒例のイベントで、神保町交差点を中心に数多くの古書店ワゴンがひしめく大古本市。純文学などの読み物から写真集、学術書、芸能雑誌まで、様々なジャンルの品々が青空のもと一堂に会する。また、有志書店から選りすぐられた品々によるチャリティーオークション、希少本の即売会、本にまつわるトークショー等、関連企画も目白押しだ。目的のお宝を探して廻るもよし、あてもなくブラブラと彷徨うのもよし。“モノ好き” の Amvai 読者なら、きっと少なくない興奮を得られるはずだ。

そして、古書店連盟に属していない私の店 “magnif” がワゴン参加しているのが、同時期開催の別イベントである「神保町ブックフェスティバル」。「神田古本まつり」会期中のいずれかの週末に催されるイベントで、すずらん通りを中心に飲食、新刊本、雑貨、そして古本などの出店が集まる。割と知られていない事実だが、こちら実は新刊本メインのイベントである。多数の出版社の “特価本” が集まり、新品の書籍類を定価よりかなりお安く購入できる。また昨年より近所の三井ビルディングの広場を使って児童書のフェアも開催。お子様連れにも嬉しいスポットだ。そしてとりわけ活気をみせているのが飲食の屋台。神保町の有名店の中華やカレーがお手ごろ価格で味わえるのはこの二日間だけ。初めて「古本まつり」に足を運ぶ方は、是非ともこの「ブックフェスティバル」開催日を選んで欲しい。

因みに当店の屋外ワゴンでは、ヴィンテージの紙モノや雑誌、雑貨類をあれこれと飾る予定です。 普段「古書」に縁遠い方でも、直感的に旧いモノの良さを感じていただけるような品揃えに出来たらと思っております。



最後に重要事項を。最寄駅は神田駅でなく神保町駅です!ここを間違えることにより、ヤケクソで神保町まで歩いて疲労困憊になったり、何時のまにかスポーツショップ巡りになってたり、あるいは小川町のセレクトショップ NEST さんでお金を使い果たしてしまったりする事になります。くれぐれもご注意を。

【 第57回 神田古本まつり 】
会場:神田神保町古書店街
日時:10月28日~11月6日
最寄駅:都営地下鉄・東京メトロ「神保町駅」
詳細:http://jimbou.info/news/furuhon_fes_index.html

【 第26回 神保町ブックフェスティバル 】
会場:すずらん通り・さくら通り・神保町三井ビルディング公開空地
日時:10月29日(10:30~18:00)30日(10:00~18:00)
詳細:http://jimbou.info/news/book_fes.html
Yasunori Nakadake

Used Bookshop Owner中武 康法

1976年宮崎県出身。大学入学と同時に上京。それから間もなくして、世界的な古書店街である神田神保町にて古書の道へと進む。10年以上の古書店勤務を続けるなかで、過去のファッション雑誌を顧みることの面白さと重要性を見出してゆく。そして2009年、同じ神保町の地に古書店「magnif(マグニフ) / http://www.magnif.jp」を開業。ヴィンテージマガジンを中心としたその品揃えは瞬く間に注目を集め、開業から今日まで多くのマスコミに取り上げられる。特にメンズファッション関連の品揃えには定評があり、服飾メーカー、デザイナー、ファッション雑誌編集者、そして多くの洒落者や趣味人たちが足繁く通う店となっている。最近ではアパレルショップ、百貨店などのイベント協力など、その活動の幅は更に広がりを見せている。