そのお店は湯島駅から徒歩5分、外神田6丁目の三組坂下交差点近くにある「かつ進 三組坂下外神田店」だ。その味を知ったのは4年くらい前の寒い時期。
打ち合わせに向かう途中でこのお店の前に並ぶタクシーの列を初めてみた。みんな弁当を注文しているか、店の前に停めた車の中で食べていた。残念ながらその時は時間がなく横目で見ながら通り過ぎたが、数日後数台のタクシーの列に車を停めて行列にならんでみた。並んでいる運転手さんに何が旨いのか訊いてみると、愛想よく「かつ丼が美味しいよ。」と教えてくれたので僕も真似てみた。
「持ち帰りでかつ丼を一つ」と注文すると、「寒いから車の中で待っててねー」と親切な対応をしてくれた。神田式粋なドライブスルーである。車の中で待つこと10分程、手渡された「かつ丼」はずっしり重い。その場で蓋を開けて食べてみると、やや甘く濃い味付けと玉子のトロトロ加減が絶妙な塩梅で食べた瞬間に笑えるくらい、美味い!もちろん重量に比例してそこそこのボリュームである。それからこのかつ丼弁当の虜になり、機会があればお世話になることにしている。ごくごくまれに蓋を開けてみると溶き玉子で描いた「隠れナントカ」の文様もあったりする。こちらはカフェアートならぬ神田式「かつアート」だったりするのだろうか。
SALUTE LIFE!
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