昨年末に発行されたレシピ本、『基本調味料だけで作る 毎日の献立とおかず』は、最低限の調味料を使いこなして日々のごはんを美味しくできる良書である。こちらの著者の角田真秀さんは、夫の和彦さんと共に「すみや」というお料理ユニットを組んでおり、ケータリングや数々のイベント出店で大活躍中である。この私も「すみや」の数年来のファンであり、折にふれてはその味に舌鼓を打ってきた。シンプルな味付けながらも旬の素材を生かしたその料理は、口に運ぶ度に四季折々の美味しさに気づかせられる。
さて今回いただいたのが「あおぞら弁当」。ルミネ立川で催された「あおぞらガーデン」というイベントにて、一日限定30食で販売されたものだ。
ルミネの屋上でのイベントで、快晴だったこともあり初夏のような暑さだった。暑さに弱い私はこういう状況では一気に食欲をなくしてしまうのだが、今回の「あおぞら弁当」はその逆境をものともせず、あっという間に私の胃袋へと吸い込まれていった。この弁当はいわゆるタコライスをもとにしたもので、ホットな環境を予め想定したものであろう。フレッシュなレタスのシャキシャキ感と旨味ある肉味噌が絶妙で、きっと如何なる炎天下でもお箸が止まらないはず。また、適量のアボカドとチーズがちりばめられており、これがただ単にあっさりだけでない腹持ちの良さを生み出している。
唐突ではあるが、かつてVAN JACKETの石津謙介先生が提唱したのが衣服の「TPO」。衣服選びは Time(時)・Place(場所)・Occasion(場合)を考慮せよという事だが、あえて自分たちの店を持たずにケータリングを主としている「すみや」の料理は、まさに「TPO」を心得ていると言えるだろう。その味付けのさじ加減から生み出される季節感や特別感は、ただ空腹を満たすだけでなく、心から満足できるものだ。そんな「すみや」のモットーは、“おなかのなかから楽しくなれる” とのこと。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。