仕事が果たせないなら、せめて家族からの依頼に応えなければ。旅立つ前、家内から「素敵なコーヒーポットがあったら買ってきて。もしあったら・・・でいいから。」といつになく目ヂカラを込めて云われた。この場合、「もしあったら」のくだりは “必ず見つけて来いよ” という意味だ。わざわざそんなワレモノ的なのを…とは思ったが、とりあえず権威的なところにすがろうと、ロイヤルワラントの珈琲商、H.R.ヒギンスの本店へと向かった。
H.R.ヒギンスの本店は繁華街から少しだけ外れた、だけれども趣きのある古い街並の途中にあった。恐らくは商品の保存に関わるのだろう、斜め下に長く突き出たひさしが店の入り口を隠し、なかなか入りづらいオーラを醸し出していた。それでも使命を果たすべく入店、勇気を振り絞って「コーヒーポットのお薦めは?」と訊いてみた。如何にも “老舗の番頭” みたいな風格の店員が取り出してきたのは、SOWDEN というメーカーの「 SOFTBREW 」という商品。クリーム色に近いイエローで、木製のフタも可愛い。うん、デザイン的には洒落ている。でもよく見たら made in china の表記が。わざわざ英国まで来て中国製か…と思いながらも、他に選択肢が無かったので購入した。
無事日本に持ち帰り早速使ってみる。単なるポットだとばかり思っていたが、何とこれひとつでコーヒーを淹れられるシロモノだった。非常に目の細かいステンレスのフィルターが付属しており、挽いた豆を入れてお湯を注ぐだけでコーヒーができる。俗にいう「フレンチプレス」的な淹れ方であろうか。試してみると、中々どうして旨いコーヒーが出来上がる。紙のフィルターでは取り除かれてしまうような豆の油分が抽出される事で、より深い味わいが楽しめるのだ。豆の微粉が混ざってしまうのが好みの分かれる所だが、そこも含めてディープな味と言えよう。
今回ネット検索してみたら、日本にはあまり入ってきていないみたい。しかしながら、これと同シリーズのものがスターバックスの米国サイトにてプッシュされているではないか。購入者のレヴューも好評。どうやらコーヒー通にとってもいいモノを買えたらしい。流石はロイヤルワラント、間違いのない買い物だった。
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