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靴下を極めてこそ、一人前の男になる。靴下上手になりたくて

今さらだけれど、“ケータイ” という名のデジタルカメラは便利なシロモノである。記念写真やスナップを撮るのは言わずもがなだが、あらゆる視覚情報を記録するのにこれ以上お手軽なものはない。要は非常に優秀なメモ帳、或いは日常に溶け込んだスパイカメラ。別にヴィジュアル的な事だけでなく、駅の掲示板だとかの文字情報だってカメラを使えば一発だしね。しかし書店の立場としてはこれが仇にもなる。一冊の本や雑誌のなかで欲しい情報が一箇所だけだとすると、その部分だけをパチリとしちゃえば用が足りてしまうからだ。これを業界では「デジタル万引き」と呼ぶ。私の店では特に禁止を謳ってはいないが、ひとことお声をかけていただく等のマナーは是非求めたいところである。
・・・って、そんな話がしたかったわけじゃない。私は雑誌を読むときの習慣として、気になる箇所があればケータイで撮るようにしている。雑誌のレイアウトとか記事内容もだが、多くはファッションページのコーディネートである。気に入った組み合わせがあれば即パチリして、後で自分のアイテムで試してみたりする。特に気になるのは靴下のコーディネイト。正直言って “色オンチ” な自分にとって、靴下の合わせ方は常に悩みの種である。色相環を見たところでピンとこない者としては、実際のコーディネートから学ぶのが一番なのだ。靴下なんて無難な色がいいんじゃね?とも思うのだけれど、これがこなせれば絶対に毎日が楽しいと思う。
ここ数年カジュアルの分野では白ソックスが流行っている。なんかのニュース記事で、90年代ブームにこじつけて “コギャルのルーズソックスがリバイバル” みたいなのを目にしたけど、コギャルは全然関係ないでしょ。どっちかというと、近年のアメトラブームの流れのなかで、いわゆるクルーソックスがひとり歩きしたような感じだと思う。素足のイメージの『TAKE IVY』だって、白ソックスを弛ませた学生がガンガン出てくるもんね。アメトラ好きな自分としてはこのブームは大いに結構だけれども、今秋はやっぱりもうちょっと色を足したい感じ。例えば「ROTOTO」の今シーズンのイメージフォトにあるようなバイカラーのソックスが気になります。単色に見せかけてパンツの裾ギリギリのところで別の色が見えるってのがレイヤード風で楽しい。
そして画像は『Esquire』の1956年の号に載っている Talon Zip の広告ページ。ケータイの中の “靴下画像コレクション”(笑)のひとつ。絵に描いたようなアイビースタイル。靴下大活躍のコーディネートです。足が長ければ是非真似したい。