その時買ったこのT シャツがあまりにも印象的で、きっと他の種類の残像も吹き飛ばしたんだろう。細かいところをみると、実際に着用していたT シャツとは若干違う点があるが、そんなことはどうでもよく、兎に角よく出来たT シャツだといまでも思っている。理由はただひとつ、バランスが極端に悪いこと。
この極端に悪いバランスが、モデルとなった大きな身体の文豪を研究された、またはそのオマージュとして表現した結果だと僕は解釈をしている。それともなんも考えてないか(笑)。天巾、肩幅、身巾、袖丈、着丈の全てが妙に中途半端に広かったり長かったりする。当時アメリカのT シャツと比べると、こちらは全て大陸的なスペック。袖も肩幅、身巾、着丈、しっかりとしたリブの全てが大陸的。それに対してこの横縞のT シャツは大雑把なようで、そう思えないサイズやスペックを持っている。当時の僕のような青二才には似合わないように考えられている。T シャツって本当に奥深く難しいんですねー。
ここ最近は男女を問わず白いT シャツを着た人を多く見かけるようになりました。白いT シャツ1枚の着こなしが皆上手です。どの人をみてもそれなりに似合っています。似合うように作られたT シャツが巷には数多くあるということなんでしょうね。夏にこればっかり求められると困りものですが。
SALUTE LIFE!
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。