Fit in Passport に登録することで、あなたにフィットした情報や、Fit in Passport 会員限定のお得な情報をお届けします。

ページトップへ

青二才には似合わないTシャツ亜熱帯TOKYO・これからのTシャツ。Slowgun 布帛Tシャツ

先日のスロウガン2016秋冬展示会に於いて地方の卸し先様とこんな会話があった。要約すると・・・
『この数年来の天候不順で洋服への要望が変わって来た。気温、気候の曖昧な時期がとても長く感じる。自分はインポート中心の品揃えだが、どうしても海外発注時そのブランドのシーズンテーマに沿ったラインを仕入れてしまうが、そのアイテム群が季節感たっぷりだった場合、それだけでは日本の曖昧時期に対応できない。ヨーロッパのショップの方々は季節の変わり目がハッキリしていることと、湿度が低めなのできっとその季節感の強い服をタイムリーに提案出来ているのでしょう。我々日本人はこの気候に対応した製品を是非ドメスティックブランドと開発していきたい、アジアの気候事情は特殊なので判っている者同士で取り組まないと。』といった内容であった。例えばハイゲージのカーディガンやスエットなど、端境期のアイテムは昔からない訳ではない。たぶん卸し先様の真意は、従来にない、新しい服種の提案なのではないかと。
ここでピンと来る心当たりのものが1つあった。それはスロウガンで昨年から提案している『布帛Tシャツ』だ。昨今のビッグシルエットブームが可能にしたもので、風合いの良いシャツ生地でボックスシルエットのTシャツを作ったものだ。生地に伸びが無いのでややゆったりとしたバスト寸がお約束となるが、これがむちゃくちゃ涼しい着心地なのだ。
薄手の天竺(Tシャツ地)だと透けてしまったり、体のラインが出過ぎてしまったりとメンズには使用可能な生地薄の境界線が存在する。しかしこれが織物となると選べる素材が倍増する。カットソーでは難しいチェック柄やストライプなどなど。シャツ生地メーカーと布帛T用の生地開発を進めればさら新しい着心地のTシャツが生まれてくるに違いない。以前、香港の卸し先の方から、リアル亜熱帯の都市部ではTシャツって意外と不快でシャツの方が涼しい、なんて話を聞いたことがある。要は汗を吸収しながらも布と体に隙間が欲しいと言うことだ。もうしばらくファッション性に於いてTシャツの形をした物のトレンドは続きそうな気配なので面白い開発を進めていきたい。アニエスbパールドットカーディガンがシャツ地でできているとかね。新しい服の開発って壮大な事を考えがちだけと、リアルなニーズは身近なところに潜んでるようだ。