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青二才には似合わないTシャツDAVID BOWIE WACHING YOU

2013年の6月に訪れたロンドンで開催中だった、デヴィッド・ボウイの回顧展「 DAVID BOWIE is 」。仕事などもあって足を運べたのは帰国日の午前中だったのですが、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に到着してすぐ、自分がデヴィッド・ボウイという存在をナメていたことに気づきました。その人気ぶりは若冲展なんて目ではなく、すでに予約なしでの当日の入館は不可能! よく考えたらあたりまえの話なのですが、ロンドンを訪れた理由のひとつでもあったので、このままじゃ諦めがつかないってもの。受付のミセスに飛行機のチケットを見せながら「俺は日本からこのために来たんです! 午後のフライトで帰らないと行けないんです〜」と泣き落としに挑戦。するとなんとミセスはニッコリ笑って、僕に入場チケットを売ってくれたではありませんか! なんと懐の深い大都会、ロンドン! 東京都美術館よ、若冲展で同じことができるかな……!?
その展示の内容とスケール感のすさまじさは、とても私ごときのファン歴で語れるものではありませんので、来年日本にやってくる巡回展をご覧ください。ただ私が最も心打たれたのは、展示会場とロンドンっ子が一体となって醸し出す、とてつもなく幸福で、それでいてどこか切ない空気感。ボウイと同世代であろう老夫婦が『スターマン』を口ずさんでいる姿に、彼らが過ごしてきたであろうロンドンカルチャーの激動期を重ねて、胸がぎゅっと締めつけられるような思いがしました。
写真の Tシャツは、そのときに購入した宝物。背中には〝 DAVID BOWIE WATCHING YOU 〟とプリントしてあります。クラシックな洋服が好きな私にとって、Tシャツとは着るものというよりも、青春の思い出を封じ込めた写真のようなものです。