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生涯をともにしたいワークチェア古書店主を支える椅子、ノーリツイス 製図用チェア

私は個人経営の古書店主である。“店主”と言えば聞こえがいいかもしれないが、それはもう文字通り“個人”でやっているので、肩書きを並べるとすれば「店主」「店員」「倉庫番」「会計」「清掃係」etc... 日々多くの役割をこなさねばならない。古書店の番頭といえば、店の奥にどっしり座って文庫本片手に会計客が来るのを待つ…そんなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれない。しかし実際には接客、買取、整頓、陳列、立っては座り、座っては立ちの繰り返しで、のんびりと腰をかけて寛ぐなんてそうそう無い事である。そして時には、膨大な商品データの打ち込み作業や高く連なる仕入本山脈と対峙するため、長時間において椅子に根をはる作業も有り。古書店主とは、かくもセワシナイ仕事なのだ。
そんな仕事の椅子選び。立ち居し易いよう座面が高く、尚且つ長時間座っても腰に負担のかからないもの…そんなイイトコ取りで図々しいスペックの椅子、ホントにあるの???半信半疑ながらもあれこれ捜し求めてようやく辿り着いたのが今回のブツである。
極めてシンプルなワークチェア。もしかすると“椅子”よりも“作業台”のカテゴリに属するかもしれない、完全に業務用の椅子。ガチンコで “ワーク” なのだ。「製図用」という肩書きで売られているのも、自分のナンチャッテ職人気質をくすぐるものがある。座面が約70cmの高さまで上がり、きちんと足置きも付いている。そしてもちろん背部と座部にはウレタンが仕込んであり、じっくり座る日も安心。私の求めている条件それぞれにちゃんと応えてくれている。
この“ノーリツイス”というメーカーについて、調べてみたら昭和22年から続く純国産メーカーで、理髪店用の椅子から始まってずっと業務用チェアを中心にやってきたらしい。そう、まさしく職人カタギの椅子だったのだ。これからも永く付き合いたい一品である。