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STORY

ボクの人生最後の(あくまで予定)伴侶たる仏車 購入。





初めて自分のお金で車を買ったのは30歳の時、BMWのE30ネイビー 4万キロくらいのディーラー中古で70万だったと記憶しております。ボクはその昔、藤沢の自宅から恵比寿事務所まで往復92キロの通勤利用で3年乗ると10万キロを超えてしまう新車殺しな野郎でした。こんな生活を10数年続け乗り継いだ車は5台、全車クレイジー・ハートなドイツ車でした。

何せ新車を買っても3年で価値をゼロにしてしまう乗り方な訳なので、極端な性能を持つ中古個体についつい手を出してしまうのでした。最高速度メーターが新幹線並の340キロまである怪物から、カローラとほぼ同じ車格に5500ccのエンジンを突っ込んだ『地を這うミサイル』と揶揄されたアイツまで。今、どこで何をしているのでしょうか?アジアや中東の草レースで活躍しているのでしょうか・・・?

そんなボクの車生活を一変させたのが湘南からの世田谷移住でした。事務所まで9キロ、往復18キロ・・・イケるっ、この距離ならイケるぜ夢の旧車ライフ!
たとえストールしても都内なら仕事に支障とまでは行かずに済むだろうし、タクシー使っても悔しくない圏内だろうし・・・。先日、英介さんもシトロエン沼へダイブされたとの事、奇遇です。もうイクしかないでしょう。

ハイ、ボクもスパッとドイツを卒業し、360馬力から写真の相棒は35馬力の脱力系人生のスタートです。ボディーカラーは86年純正色のピーコックブルー。ウーン、美しい!こんな色の職業車、フランスのエスプリの為せる技だな〜・・・なんて一人悦に浸っていると横にいた受験生の娘が『これ東進ハイスクールのバスの色じゃん』ガーン!林修先生で有名な通信系予備校の宣伝都バスは確かにこんなブルーグリーンなのでした。南仏の夕陽を背に、風と共に走り去る、ピーコックグリーンの憎い奴を夢見ていたボクを、あっさりと現実の代々木、神田の予備校界隈に引き戻した林修先生、やっぱり買って正解でしょ!くらい言ってくれないとやってらんねーっす!(納車整備で要2ヶ月!続編に乞うご期待

Manabu Kobayashi

Slowgun & Co President小林 学

1966年湘南・鵠沼生まれ。県立鎌倉高校卒業後、文化服装学院アパレルデザイン科入学。3年間ファッションの基礎を学ぶ。88年、卒業と同時にフランスへ遊学。パリとニースで古着と骨董、最新モードの試着に明け暮れる。今思えばこの91年までの3年間の体験がその後の人生を決定づけた。気の向くままに自分を知る人もほぼいない環境の中で趣味の世界に没頭できた事は大きかった。帰国後、南仏カルカッソンヌに本社のあるデニム、カジュアルウェアメーカーの企画として5年間活動。ヨーロッパでは日本製デニムの評価が高く、このジャンルであれば世界と互角に戦える事を痛感した。そこでデザイナーの職を辞して岡山の最新鋭の設備を持つデニム工場に就職。そこで3年間リアルな物作りを学ぶ。ここで古着全般の造詣に工場目線がプラスされた。岡山時代の後半は営業となって幾多のブランドのデニム企画生産に携わった。中でも97年ジルサンダーからの依頼でデニムを作り高い評価を得た。そして98年、満を持して自己のブランド「Slowgun & Co(スロウガン) / http://slowgun.jp 」をスタート。代官山の6畳4畳半のアパートから始まった。懐かしくて新しいを基本コンセプトに映画、音楽等のサブカルチャーとファッションをミックスした着心地の良いカジュアルウェアを提案し続け、現在は恵比寿に事務所を兼ね備えた直営店White*Slowgunがある。趣味は旅と食と買い物。