
多分この心理は男性特有と思うんですが・・・。
新しく車を購入、契約を交わしてから納車までって微妙に時間がかかるんです。この間の男って確実に小学校高学年位の情緒に逆戻りするんですよねー。何せその男心を見透かした海外ディーラー、特にウン千万円代の車(イタリアの跳ね馬やドイツの老舗)を購入すると納車までの間、これでも眺めて待っててねーと、ティッシュの箱位の大きさの同型ミニカーをプレゼントしてくれるんですって。もちろんボクにはそんな新車体験はございませんが、幸運にも一発当たりくじを引き当てた世界の社長さん達は、夜な夜な一人ミニカー遊びで瞑想に耽っているそうな。ちょっと怪しい空気を醸しますよね〜。
ハイ、そんな私めも只今納車直前の瞑想タイムに入っております。お題の車は、Amvaiコラム前出のルノーキャトル86年製でございます。この便利な世の中、納車整備の進捗状況をFACEBOOKで報告という形でご報告いただいております。その内容がまたシビれまして・・・・・

そもそもエアコン(冷房)の必要性のない乾燥した国、フランスの34馬力の車に、このキャトルが販売されていた90年初頭まで、当時の輸入ディーラーはイタリア製の冷房装置を要望があれば日本向け純正品として半ば強引に取り付けておりました。小さい心臓に2本のベルトをつけて1本は動力、1本は発電装置を経由してエアコン供給用電力を作るベルトだったんです。このエアコン用ベルトが諸悪の根源で数千キロで滑り出し、すぐ交換時期が来てしまう。それを分からずにいると、なんだか最近エアコン効かないなーとなる訳で、ただでさえ小さなパワーなのに伝達ベルトの仕組みのせい&パワーロスでこうなるのだそうです。
その問題を根本解決すべく、これらの写真はジェラルミンを削り出してワンオフで制作された世界初!パワーをロスなく発電する為の金具類でございます。詳しいことは全く分かりませんが、発電装置(ダイナモ)は軽自動車用の新品、それを回すVベルト、マウント金具このあたりがジェラルミン製だそうです。いやいや金属パーツって美しいではありませんか!!
用の美、いわゆるコルビジェからバウハウスに通ずる概念でございます。

それにしてもエンスー系中古車の世界、怖いですねー。純正エアコン装備!なんて書いてあっても99%ハートに難ありなんて聞いちゃうとゾッとします。今回お世話になるカーショップのオーナーさんに軽ーくレクチャーを受けたんですが、90年代以前のフランス車は道路渋滞とか夏場の平均気温35度超えとかアジアの多湿とかそんなこと当然、設計段階で考慮されている訳もなく、コンピューターで最適を導き出してガソリン噴射濃度や足回りのバランスを車が勝手に考えてくれる現代車に乗る感覚でいると不愉快この上ない道具となってしまうそうなんです。そもそもを理解し、君子危うきに近寄らずがごとく、真夏の渋滞予想時には乗らない、コンピューター忖度はご自分で・・・これが基本のきで、この感覚を楽しむ心を持ち合わせていないなら、エンスー道に入るべからずなのだそうです。ウーン、ファッション感覚でのみ手を出してしまっているこの私にこの重責が務まるかは始まってみないと分かりません。でも、元YMOの高橋幸宏さんも若き日の頃はキャトル乗りだったそうだし。まぁ、困ったときは実家の親父にもらった日産ノートがあるしなーっと心に保険をかけて・・・。 つづく



















