そういえば、文化服装学院のデザイン科だった頃、DJだった同級生が代々木上原に住んでて「俺、渋谷のタワレコまでいつもパジャマ&自転車で行ってるよ!」なんて聞かされてました。その意味とは自室のレコード棚の延長にタワレコがあるってことで、渋谷という当時ストレス&バイオレンス満載な街中をパジャマのまますり抜けて行く彼の姿にイケてる東京人は違うなーと実家通学のボクは感心しきりだった訳です。でも今になると彼のこのパジャマ感覚が一番自分にフィットする様に思うのです。
時計の針は深夜2時15分。ボクはボロボロのスエット上下でノートパソコンで原稿を書いています。ストレスフリーな恥ずかしいパジャマスエットです。小腹がすいたのでちょっとコンビニまで、つっかけサンダルで気分転換しよ!って流れ、あるじゃないですか。理想はこのままふわっと羽田に行って飛行機乗って機内でもちょっと書き足して、ウトウトしながら映画見てシャルルドゴールに着いたらタクシー乗って、気付いたらデ・プレの常宿。そしていつのまにか小腹を満たしたのがおにぎりから赤ワインとサラミになっていた・・・なんて空間移動が最高だと思うんです。コンビニに行く位の気負いで目的地の海外に到着してるという究極の理想型・・・。親の背中を見て育つうちの娘は5歳の頃から、あろうことかパジャマにトレンチで渡航しております。昭和の頃、高峰三枝子はフルムーン旅行で直径1Mくらいある白い帽子とパステルカラーのワンピース&白いハイヒールで旅行してたんだぞ!これが日本人の正統派旅行着なんだぞ!とそろそろ奴に教えてやらねばですね。もちろん自分のことは棚に上げときます。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。