雑誌『ビギン』に載っていたクオバディスのフランス製手帳を買ったものの、書き込むスケジュールがなにひとつなくて、途方にくれた大学生時代。あの頃からは想像もつきませんでしたが、まあまあ忙しくやってますよ今の僕。
あれから長いことクオバディスの「ビジネスプレステージ」一筋だったのですが、サイズの微妙な小ささが窮屈に感じてしまい、2年ほど前に心機一転、買い替えることにしました。僕もそろそろいい年だし、ずっと憧れだったエルメスでもいっちゃおうかな、なんてね。
だがちょっと待て。この明日をも知れぬ浮草稼業、僕は死ぬまで毎年1万円オーバーのレフィルを買い替え続けられるのだろうか？ あとエルメスのレフィルって、真ん中に入ってるリングが書き込むときにちょっと邪魔なんだよなあ・・・。ということで方向転換！ 機能的なのはもちろんですが、惜しみなくガシガシ使えて、安っぽくも変に高級っぽくも見えない・・・そんな手帳を求めて、伊東屋をくまなく探索してみました。
そしてたどり着いたのが、日本のブランド「トラベラーズノート」。牛革のカバーに手帳やらノートを好きに挟んで使ってくださいという、投げっぱなしの姿勢。無地リフィル1冊216円ゆえ、1回のインタビューで1冊使い倒せるというお手軽さ。裏地もステッチもないチープな1枚革ながら、使い込むほどに味わいを増すタイ製のオイルドレザー。ふつう手帳ってどこか持ち主を縛るようなところがあるのですが、このノートにはそんな堅苦しさはなくて、どっちかというと開放的なエナジーが漂っているんです。
当初は黒と茶の2色展開だったのですが、ちょっと前に限定で登場したネイビーカラーが深みがあって気に入っています。エルメスの手帳も確かに素敵だけど、僕の生きかたにはこんな手帳がお似合いみたいですね。