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まとうべき秋冬ジャケット21世紀の「森の番人ジャケット」

ファッションとは一期一会ですから、ほしいと思ったときには無理してでも買わないとね。それはコレクションブランドだけじゃなくて、定番といわれているものだって同じ。いつの間にかモデルチェンジしたり、廃盤になったり、しまいにゃブランド自体がなくなっちゃったりするんですから!
僕のなかで買い逃し後悔ブランドといえば、ダントツにフランスの「アルニス」ですね。戦前ヨーロッパのブルジョア階層や芸術家たちの香りを色濃く残した嗜好的ディテールといい、胃もたれしそうにこってりしたカラーセンスといい、好き嫌いは激しいもののとにもかくにも唯我独尊で格好いい。その中でも名品と名高いジャケットが、ワークウエア的なものをアルニス的センスでアレンジした「フォレスティエール(森の番人)」というものでした。値段も高かったし、まだ30代だったもので、「松山猛さんみたいな雰囲気が身についてから買おうかな〜」なんてタカをくくっていたら、まさかの LVMH 傘下入りですよ・・・。厳密にいうと今でも売っているのですけれど、ベルルッティネームがついていて、シルエットはタイトに、色柄のセンスもちょっとインターナショナルなムードになっていて・・・(以下自粛)。ヤフオクでもぜんぜん出てこないし、後悔先にたたず。
そんなときに見つけたのが、香港を拠点とするセレクトショップ「アーモリー」のマーク・チョウさんが教えてくれた、このジャケットでした。つくりは簡素で、正直いってアルニス的なラグジュアリー感はありませんが、デザインの雰囲気は、まさしくフォレスティエール的! 聞いたところスペインの伝統的なハンティングジャケット「 TEBA 」というもので、ブランド名は JUSTO GIMENO 。きっとフォレスティエールも、こういった庶民のジャケットをヒントにしてつくられたのでしょうね。日本ではまだ売っていないのですが、後悔なきようマークさんにお願いして購入しておきました。もちろんこれ自体も気に入って着ているのですが、いつかこういったジャケットをヒントに、次世代のフォレスティエールができないかな・・・なんて野望を抱いています。誰かつくってくれないかな〜!