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泳がなくても穿きたい海パン小心者のトランクス

ふだん街中では必死こいて〝傾いてる〟私ですが、それはコンプレックスのごった煮のような自分を覆い隠す、いわば鎧のようなもの。もし私がアーリー90’s の吉田栄作や加勢大周のように、ヘインズの Tシャツにリーバイスの501だけで格好いい男だったら、きっとファッションエディターなんてやってなかっただろうな。
というわけで、いつもの装備が身につけられない海辺ってのは、私にとって最も落ち着かない場所。ですから海パンも無難なトランクス一辺倒です。ちなみに現在愛用している海パンはボリオリ。海に行くときは洗い込んだフレンチラコステのポロシャツに、パナマハットかぶったりなんかして・・・。
そんな往生際の悪い小心者の自分だけに、憧れるのはビキニな奴ら。それも郷ひろみラインの二枚目じゃあなく、石原裕次郎を筆頭に梅宮辰夫、松方弘樹、山城新伍・・・といった〝チョメチョメ系〟昭和ダンディたちです。自意識肥大気味の私には、オッサンのくせにビキニパンツいっちょにティアドロップ姿で堂々と写真に撮られていた彼らの姿が、昔もいまも眩しく輝いて見えるのです。
ちなみに1980〜90年代のプロレスラーたちがビーチで合宿する際の海パン姿にもシビれました。彼らはリングに上がった時に日焼け跡が見えないように、ビッチビチの極小ビキニをはかなくてはならないんですよね・・・。まあこれは余談でしたが、とにかく海パンは私のようにへたに街っぽく着ないで、海パンらしく堂々としてるのが格好いい。
しかし世の中、上には上がいるものです。よくイタリアのファッションアイコンとして雑誌で紹介される故ジャンニ・アニエリなんて、毎年ヴァカンス先でヨットから全裸ダイブ→パパラッチ激写→イタリアの庶民、新聞を見て「ああ、今年も夏か〜」という一連の流れが、夏の風物詩だったそうな。
来世こそは、どんなにオッサンになって肥えてもガンガンに日焼けして、ビキニパンツをはけるような男として転生したいものです!