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大きい鞄のために旅に出たいマルティネンギ、不遇の超一流バッグ

男のくせに、バッグが大好物です。なかでも編集者という職業柄、もっとも食指が動くのは荷物をガバッと突っ込める、大きめのボストンかトートバッグ。そして色味は使い込むほどに味わいを増す、ブラウンにきまってます。
ここ数年のヘビーローテーションは、新顔であるモロー・パリのトートバッグか、エルメスのヴィンテージもののオータクロア、プリュムドッグといった、90年代半ばのジャイアンツを彷彿させる超一線級のラインナップ。このような状況下では、実力はあるのに出番がない・・・という、当時の大森剛なみに不遇をかこっているメンバーも存在するわけでして、今回はそんなバッグを紹介したいと思います。
こちらのボストンバッグ、ブランド名は MARTINENGHI (マルティネンギ)と言いまして、1915年に創業した、イタリアの老舗ファクトリーものです。数年前にとあるセレクトショップのセールにて、破格で手に入れました。無名ではありますが某メゾンブランド(ヒントは大きなジッパー!)のバッグを生産しているだけあって、そのクオリティは抜群、特にコバの磨きとカーフの上質さには惚れ惚れしてしまうほどです。ご覧ください、血筋もなく隅々まできめ細かなカーフの質感を! 正直いってその実力は、先ほど挙げたブランドになんら劣るものではありません。しかし購入以来まだ1〜2回しか出番がないのは、ひとえに私のミーハーブランド好きのせいでしょうか・・・。大森、いやマルティネンギ、ごめん! 彼のことを思うと本当はトレードに出したほうがよいのでしょうが、この素晴らしいつくりを見ると、とてもそんな気持ちにはなれないのです。あの頃の長島監督の気持ち、わかるわー。