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サングラスの大人な役割ウディ・アレンになりたくて。TART OPTICAL BRYAN

いわゆるラグジュアリー媒体と呼ばれる雑誌を主戦場にしてはいますが、本当は私ごときが洗練されたライフスタイルを語るなんて、なんだか申し訳ないような気持ちです。だって自分にとってのお洒落とはなにかを考えていくと、最終的にはコスプレみたいなものなのですから。ゲンスブール、ウォーホール、ウィンザー公、チャーチル……。といった具合に格好いいと思う対象こそ違いますが、秋葉原とかでアニメキャラのコスプレをしている方々には親近感を覚えてしまいます。
その時々でコスプレの対象は変わってくるのですが、大学生時代から飽きもせず真似しているのが、ウディ・アレンのスタイルです。スポーツや集団行動が苦手で周囲になじめなかったあの頃、『アニー・ホール』や『ボギー!俺も男だ』を通して教えてもらった、男の「格好悪い格好よさ」。それ以来彼は私にとってなかば信仰の対象であり、お洒落の師匠。ツイードジャケット、チノパン、セルフレームのアイウエアという3点セットは、常に〝ウディ・アレンらしさ〟を基準に究極ものを探し求めています。
しかしアイウエアに関しては、2年前に究極にたどり着いちゃいました。だって本人が使っていたモノと同じブランド、同じモデルなのですから。
手に入れたお店は、表参道にあるヴィンテージ専門のアイウエアショップ「ソラックザーデ」。ヴィンテージというと「ユーズド」「1点もの」というイメージがありますが、こちらが扱うのは、独自のコネクションを通じて世界中からかき集めたデッドストックものだけ。しかもそのストック数は膨大で、サイズの展開も豊富。レンズ加工やフィッティングの技術も高いので、安心して買い物が楽しめます。さらにすごいのは、オーナーである岡本兄弟の圧倒的な知識に基づいた接客です。こちらが「ウディ・アレン」と一言キーワードを投げかけただけで、「彼がかけているのはタートオプティカルというブランドの『ブライアン』。ブリッジは24㎜でサイズは46㎜でしょう」と、出てくる出てくる。これに今のアイウエアにはない質感をもったガラスレンズを埋め込んで、あっという間にウディ・アレン眼鏡の完成です。ただ1点だけ完璧じゃないのが、私の視力が1.5ゆえ、あえて少しだけ色を入れたサングラスにしていること。完全な伊達は気恥ずかしいですからね。しかしこれは、きっと時間が解決してくれることでしょう。