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気高き黒のファッションアイテム真夜中のクリケットセーター

黒いアイテム、と言われてパッと思い浮かぶのは靴とかサングラスとかハットとか、そもそもフツーに「黒」が存在するアイテムです。…が、しかし!そこは Amvai 。当サイトのテーマでもある「ちょうどいい」が頭に付くとなれば、そんじょそこらの「ただ黒いだけ」アイテムを気軽に紹介しようものなら、各 AMVAR と読者の皆様から寄ってたかってボコボコの袋叩き、エアマックスとエビスジーンズを同時に狩られて、90年代のセンター街にひとりタイムスリップすることになってしまいます。ミッドナイト・イン・狩り。いまの僕の歳なら「オヤジ狩り」もオマケで付いてきそうです。とはいえ「ちょうどいい黒いアイテム」って何だろうね、と片肘ついてビール飲みながらダラダラと考えを巡らせるうちに「あ、あれかも」。で、今回ご紹介するのはクリケットセーターです。僕が高校生の頃(20年以上前)にはチルデンセーター(和製英語)といって流行ったものです。文脈はスクールパンクだったかな…。アメリカ人テニス選手のチルデンさんが流行らせるよりもずっと昔から、英国の由緒正しき上流スポーツ「クリケット」の競技時に着るセーターとして存在するようですが、由緒正しいだけあって基本的に首、袖のラインを含めて配色はオフ白、紺、グレー、エンジ、グリーン、イエローなどの清潔なチームカラーで構成されます。着こなしはあくまでクリーンに。お手本は首元にスカーフを仕込んだエレガントな Cary Grant 。もしくは映画「アナザーカントリー」に出てくるパブリックスクールのボンボンな学生たち。緩めたレジメンタイにセーター腰巻き、というダラけたムードも上流階級だからこその全身白でキマります。で、上流の真似事はとてもできない純然たる庶民の僕が選んだクリケットセーターは Corgi 製の「黒」。禁断のブラックボディにイエロー×ライトグレーのラインが入った、文字通り「異色」の一品は10年以上前に購入したフェルメリスト ビームスの別注品。数年前から Gucci を筆頭にファッションブランドでもクリケットセーターが復活の兆しですが、そんな今だからこそ、大人は専業ニットブランドのものを堂々とチョイスすべし。ハイクオリティだからこそ許される邪道な色遊び。しかも実はこれ、カシミア100%なんです。肌触りも滑らか。サルバドール・ダリみたいに素肌に着れば、今度こそ1920年代のパリにタイムスリップできるかな…。