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気高き黒のファッションアイテム1940'S U.S NAVY Dress Oxford Shoes という名の黒いダイヤ。

今年、弊社は20周年を迎えるにあたり、今一度歴史的名品の良さを再認識し、ボクらなりに再構築する!なんてことを思い立ち、年始より活動を開始いたしました。今回の Amvai のお題が黒いアイテムなので、その中でも製作着手候補としている黒いダイヤ、 1940'S U.S NAVY Dress Oxford Shoes についてお話せていただきます。世にプレントゥの短靴いろいろあれど、カジュアルでもこなせる・・という前提となるとどうしてもアメリカ産の物に目がいってしまうんですよね。骨っぽいドレス感とでも言うのかな・・。そしてそのイメージの代名詞がオールデンのコードヴァン製のプレントゥだとすると、その源流を感じるのがタイトルの 1940'S U.S NAVY Dress Oxford Shoes となるんです。ハイ、こんな感じで源流まで遡って物の良さの再確認すること、これをやりたいんです。では、この通称40年代U.Sネイビーサービスシューズのどこがイケてるのか?ここのご説明デス。まずは第一にラスト(木型)の美と剛を合わせ持つところでしょう。このシューズは40年代初頭から90年代頭まで作り続けられました。各世代を見比べても確かに40年代製のみが異質で無骨なセクシーさを持ってるんです。この通称ネイビーラスト(もしくはミリタリーラスト)はオールデンのモデファイドラスト確立に多大なる影響を与えたと言われており、並べてみてもざっくりとは近い印象。ただトゥの丸みの形状差と外側くるぶしあたりがモデファイドラストは極端にえぐれている所に違いが見られます。ボクは今まで山形の宮城興業さんにて木型の削り出し作業を何度となくやってまいりましたが、僅か数ミリで印象がガラリと変わる世界。とりたてて構造線のデザインが無いだけにトゥの丸み1つで勝負が決まってしまいます。なのでこのネイビーラスト、モデファイドラストのグッと来る部分を確実に押さえておく必要があるんです。2型の共通項として親指の内振り具合の雰囲気、土踏まずのアーチの持ち上がり具合、トゥのポッコリ丸み、このあたりでしょうか?イコールそれが40’Sモデルとモディファイドラストの最重要ポイントともなるので、いかに『何の変哲もないのになんだか放っておけないこの感じ』を表現するか?これに注視して進めて行く所存です。今回製作に当たるチームは日頃オールデンのソール張り替え、お直し等も仕事の一部としている工場さんで、ホーウィン社のシェル・コードヴァンから GUIDI レザーまで何でも入手出来る環境なのです。材と手は揃いました。あとはボクらがこの靴にどんなドラマ性を演出するか?どのようにこの漆黒のダイヤに磨きをかけ、『存在感がデザイン』という究極の物作りを具現化するのか??そんな楽しい作業が今、始まりました・・・。