まず足を運んだのは伊勢丹メンズ。ボッテガ・ヴェネタやルイ・ヴィトンといったメゾンブランドからダニエル&ボブなどのファクトリー系、ブリーフィングあたりのドメスティック系まで、クラッチバッグの品揃えは圧巻。ほしいものだらけで困ってしまうくらいなのだが・・・30分くらい歩いていたらなんだか胸焼けがしてしまった。盗難のトラウマなのか、いわゆる高級品というものにまだ少し拒否反応があるのかもしれない。
続いて向かったのは代官山にある蔦屋書店の文具コーナー。昭和のサラリーマンが使っていた紙製の封筒型書類ケースの現代版といった類のモノが、どこかで発見できるのかと思ったのだ。その目論見は見事に的中したのだが、「ポスタルコ」の27,500円もするモノだったので、残念ながら断念した。
仕方ないから「ポーター」あたりで手を打っておくか・・・という諦めの境地の中、トイレを借りるついでに入ったロフト銀座店にお宝はあった。オリーブ色のコーデュラ(風の)ナイロンを使ったA4ブリーフは、「ハイタイド」という聞いたことのないメーカーのものなのだが、ミリタリーの放出品のようなデザインが簡潔で好ましく、どんなバッグにも合いそうだ。内部にはクッション材が仕込まれており、デジタル製品の収納にも使えるし、仕切りもあってそこそこ便利。そして何より気に入ったのは、表から見える部分に一切タグやらロゴをあしらっていない点。ここまで上出来なのに3,000円って、これはもはや奇跡でしょう!
ついでに東急ハンズに寄って1個500円で売っていたフレンチキーホルダーを3個購入し、作り直した鍵につけてみた。つい3週間前までは世界が認める一流品を無理して集めて、それを持ち歩いて得意げになっていた僕。誰も知らない安いモノを持って歩くのは最初は心もとなかったのだけれど、それはそれで意外と軽やかで快適なのだった。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。