また、いつもはダイニングで娘が座っている Artek の Chair 69。座面が革張りなので冬はヒヤッと冷たい。この椅子に掛けてもぴったりサイズ。6歳の娘も「モジャモジャであったかい」と喜んでくれました。で、毛皮付きの椅子を見てなんとなく思い出したのはドイツ人アーティスト、ヨーゼフ・ボイス。実際に彼が作品として椅子の上に乗せたのは大きな脂肪の塊でしたが、ボイス自身が着ていたコートやコヨーテのイメージのせいでしょうか?脂肪を乗せた椅子の解説はかなり難解なので、ここでは省きます(逃げた)。彼のカリスマチックなルックスに憧れた10年前の僕は、はるばる水戸芸術館まで展示を観に行ったり、フランク リーダーのフィッシングベストにハットをかぶってみたり、同じ酒席にいた現代アーティストに「なんかボイスみたいなカッコしてますね」と元ネタが即座にバレたり、実に分かりやすい男でした。思い出すうちに心が寒々しくなってきたので傍にあったブランケットにくるまってみたら、それもまたずっしりと重いグレーのフェルトに十字架の柄。そうそう、この毛布も「なんかボイスっぽくない?」とか言いながら10年前に購入したものでした。あ~あ、結局「三つ子の魂百まで」かよ、と。
「オーダーしたからこそ馴染んだ」と思えたもの、そんなモノが男にはある。AMVERが選んだオーダー品はどんなものなのか。
買ったけれど着ない服、いまとなっては着ない服、袖を通すことができない服……。1900年初頭にフランスで作られたリネンシャツ、Trout manのシャンブレーシャツ、貴重なポパイのTシャツなど、AMVARたちの「着られない服」。
90年代のゴムバンド Swatch、織り糸に水を弾く機能を持たせたエピックナイロンのシリーズ、ウィリス&ガイガーのブッシュポプリン製サファリジャケット……AMVARたちの雨の日のスタイル
80年代リバイバルのアルマーニのスーツ、春の曇天にはぴったりな“グレージュ”、そしてデニム。AMVERたちが手にした春のセットアップ。